今日は朝から東京で降雪があったが、現在発生中の黒潮大蛇行が関東に雪を降らせる一因となっていることを解説すると共に、自説である黒潮の流路による南海トラフ巨大地震発生の可能性も検討する。
■関東の降雪の海洋現象
まず、今朝はここ小平市でも「まさか」の降雪となった。
だが、3月下旬という発生時期は置いておくとして、東京で降雪というのは、それほど「まさか」の出来事でもないかもしれない。
というのも、海洋現象になるが、黒潮の流路と関東の降雪に関連性があるためだ。
Google AIが回答してくれるかもしれないと思い、「関東で降雪 黒潮大蛇行」と入力すると、下記の通り回答してくれた。
黒潮大蛇行が発生すると、関東地方で雪が降りやすくなる可能性があります。これは、黒潮大蛇行の影響で低気圧が東京に雪を降らせるコースをとることが多くなるためです。
■降雪が多かった年
ちなみに、過去に関東で積雪量が多かった年は、下記の記録がある。
この時に黒潮大蛇行が起きていたかも示す。
【直進期】1883年2月8日:積雪深が46センチメートルで、観測史上最も積雪が観測された日
【大蛇行】1969年3月12日:日降雪量が33センチで、統計史上1位の記録
【大蛇行】2014年2月7日~9日:南岸低気圧による大雪で、東京の積雪深は27センチメートルを記録した
ちなみに、大蛇行の発生は確率論的にはおよそ3回に1回くらいとなっている。
つまり、3月下旬という時期は置いておくとして、春に東京で降雪となるのも、それほど「まさか」ではないことになる。
■黒潮と南海トラフ
次に、黒潮の話題となったので、ついでに…という訳ではなく、こちらが本題的に。
これまで10年以上にわたり、黒潮流路と地震の関係について研究を重ねてきて、たどり着いたことがある。
南海トラフ巨大地震は、黒潮大蛇行の発生中は起こる可能性が非常に低くなるということ。
最初に黒潮に着目したのは、2014年6月頃だった。
2014/06/06の探求三昧2の記事で、こう書いていた。
「南海トラフ地震の場合、黒潮などと何か関係あるのかなと思ったりもしたが、これについては後日書いてみたい。」
■発生の季節性
それから3ヵ月ほど経った2014/09/07の「南海トラフ巨大地震と黒潮の大蛇行の関係」と題した記事で、ズバリ核心を突いたことを書いていた。
南海トラフ巨大地震だけ季節や発生月に偏りがあるのは何故か?
そしてたどり着いたのが、元気象庁の岡田正実氏の先駆的研究だった。
それが、黒潮大蛇行の発生中は渦の中では潮位が上昇し、その水圧によって海底の地震の発生を抑制するというもの。
これまで様々な形でデータ解析してきて、岡田説に矛盾しないことを検証してきた。
2020/10/10頃から、黒潮大蛇行の渦が千切れて、実質的に大蛇行が終了したような状態になったことがある。
この時のことは、当時のtocanaでも記事を執筆していた。
だが、その後の2021/01/31頃には大蛇行は復活していた。
では、その一時的な終息状態の時期に、南海トラフ付近で大きな地震は起きていただろうか。
その期間で起きたM5.0以上の地震を検索すると、下記の図の通りとなった。
青丸印のM5クラスの地震が何度か起きていたが、これらはカウントしない。
なぜならば、これらは深さ300km以上の深発地震であり、この深さでは南海トラフ巨大地震は起きないからだ。
このような深発地震は、黒潮の影響を受けないため、いつでも起こり得るのだ。
4ヶ月弱の「危ない時期」だったが、短期間だったこともあり、南海トラフ周辺で大規模な地震は起きなかった。
■長期予測
では、その黒潮大蛇行はいつ頃まで続くだろうか。
JAMSTECの『黒潮親潮ウォッチ』サイトの黒潮長期予測を見てみると、2ヵ月くらい先までの黒潮の予測がわかる。
これを見ると、あくまでも予測ではあるが、5月下旬には黒潮の渦が千切れて大蛇行が終息状態となる。
だが、「黒潮大蛇行を終わらせるほどではありません」とある。
これまでも何度も同様の状態になっていたが、たしかにJAMSTECの予測通りに、その後に大蛇行が復活していた。
その他の巨大地震発生の条件として、過去にはすべて7月~2月に起きていたという「規則性」がある。
何故かは不明だが、このことは地震学者諸氏も認めている。
そうなると、やはり今年の前半は南海トラフ巨大地震の発生の可能性は非常に低くなると考えられるのだ。
※被災時には何よりも大事となる。
【Amazon】『【防災士推奨】PYKES PEAK 救急トイレ 簡易トイレ 120回セット』