01/29朝に、長崎県の対馬で幻の深海ザメ「メガマウス」が定置網にかかったが、このサメが海上近くに現れた時にはその後に大きな地震が起きていた事例が多数あるので注意が必要となる。
■メガマウス
2025/01/29朝、長崎県対馬市峰町の定置網にメガマウスがかかった。
ネズミザメ目メガマウスザメ科に属するサメで、通常は深海に生息する。
体長5mほどの個体だった。
01/29朝に一度は定置網にかかったが、逃がした後で翌朝に港で発見された。
専門家によると、通常は水深200mほどの深海に生息していて、日本海側で見られるのは非常に珍しいという。
■11年前の前兆事例
私が作成している地震前兆現象データベースには、メガマウスの出現事例が47回ある。
うち、37回ほどでは対応する地震が起きた可能性があると考えている。
たとえば、11年前のTOCANAでも書いた事例がある。
この時には、「ウルトラマン・コスモス」の主演も務めた俳優の杉浦太陽氏が、たまたま現地にロケで訪れて目撃していた。
その21日後に、下記の地震が起きた。
・2014/04/14:静岡県・由比ガ浜港で水揚げ。
→【21日後】2014/05/05 05:18:伊豆大島近海、M6.0、最大震度5弱、深さ156km
捕獲地点から震源までは約70kmの距離だった。
顕著な前兆事例といえるだろう。
■最近の前兆事例
最近の例では、昨年の下記のケースがある。
・2024/05/24:高知県室戸市沖の定置網に体長6mの個体がかかった。
→【6日後】2024/05/30 02:14:東海道南方沖、M5.5、最大震度2、深さ353km
定置網から震源までは、約345kmの距離だった。
地震の規模と距離を考えると、地震前兆事例の可能性がある。
下記のブログ記事で書いていた。
過去に日本海側で発見されたのは、私が知る限りでは下記の1例だけある。
・1994/11/29:福岡市東区の和白浜に体長4.7mの個体が漂着していた。
だが、対応する地震は起きていなかったと思われる。
■地震前兆の説明原理
メガマウスなどサメ類には、頭部にロレンチーニ器官という特別な身体部位があり、これによって微弱な電流を感知することができる。
前述のTOCANA記事で詳しく解説しているが、地震の前兆現象として発生するパルス電磁波により、この器官に狂いが生じて、海上近くに浮上したりと異常行動を示すのではないか。
これまで多くのデータ収集をして解析した結果としてわかっているのは、冬期に日本海で深海魚などが出現しても、必ずしも地震発生には繋がらないことが多い。
そのため、今回の対馬の事例でも慎重に検討する必要があるが、無視できない要素もある。
メガマウス捕獲の3日後に、下記マップにあるように、既に地震が起きていた。
ただし、小規模なので、この地震の前兆だったとは考えにくい。
全く地震が起きずに終わるかもしれないが、念のため注視したい。