5年前に「探求三昧ブログ2」で書いた記事をリライトして最新の情報を加えたもので、2分割した2回目となるが、昨年の「南海トラフ地震臨時情報」の話題も含めて、南海トラフ巨大地震の発生タイミングについて周知する。
■大地震発生の季節変動の傾向
昨日投稿した(1)で書いた他に、大地震の発生の季節による変動の傾向は、以下のようなことがある。
・季節変動は大地震で明らかで、中規模ではあまり見られない。
・季節変動は、断層部に含まれる地下水の増減が影響か。
岡田正実氏の分類による「親潮域(A)」では、大陸プレートに加わる加重は、3月頃に雪解けと潮位低下が重なり最も減少するため逆断層型の大地震が多くなる。
日本では東北地方太平洋沖地震も含めて、大地震が3月に多く発生している理由の一つだろうか。
黒潮域(B)では、秋~冬に潮位低下や陸水の減少のため大陸プレートの加重が減り、大地震が多くなる。
また黒潮域(B)では、2月~9月は加重が減少せず又は大きい時期のため巨大地震の発生が少ない。
また黒潮変動による加重の変化も無視できない。
以上も、過去の南海トラフ巨大地震がすべて7月~2月に発生していることの理由の一つだろう。
南海トラフ巨大地震発生の傾向
次に、前述の「B:黒潮域」で挙げた大地震の事例のうち、南海トラフ巨大地震に絞って再度まとめる。
【南海】0684年11月26日:白鳳地震(全域)、M8.2。
【南海】0887年08月22日:仁和地震(全域説)、M8.0~8.5。
【南海】1096年12月11日:永長地震(東海道沖or全域)、M8.0~8.5
【南海】1099年02月16日:康和地震(南海地震?)、M6.4~8.5
【南海】1185年08月06日(8月13日):文治地震、M7.4。
【南海】1360年11月13日:紀伊・摂津地震(東南海地震?)、M7.5~8.0
【南海】1361年07月26日:正平・康安地震、M8~8.5
【南海】1498年09月11日:明応地震(東海道沖)、M8.2~8.4
【南海】1605年02月03日:慶長地震、M7.9~8.0。
【大蛇行】1854年(開始・終了月不明) (1年間)
【南海】1854年12月23日:安政東海地震、M8.4
【南海】1854年12月24日:安政南海地震、M8.4
【大蛇行】1890年~1891年(2年間)
【大蛇行】1934年03月01日~1944年前半(約11年間)
【南海】1944年12月07日:昭和東南海地震、M7.9
【南海】1946年12月21日:昭和南海地震、M8.0
黒潮域の大地震は、8~12月に集中し、11~12月に最も多い。
上記の南海トラフ巨大地震に限っていえば、すべて7月~2月に発生していて、11中旬~12月は13回中7回と多い。
その理由は前述の通りで、岡田氏が考察したように、黒潮域(B)では、秋~冬に潮位低下や陸水の減少のため大陸プレートの加重が減り、大地震が多く発生するためだ。
また、2月~9月は加重が減少しないため、巨大地震の発生が少なくなる。
【追記】現在は2月で、間もなく前述の7月~2月の期間が終わるため、自説では3月~6月の4カ月間は南海トラフ巨大地震発生の可能性は現在よりも低くなることになる。
大蛇行の終息直後に巨大地震が起きる
岡田氏によると、過去の黒潮大蛇行の発生がわかった時期以降の南海トラフ巨大地震は、すべて黒潮大蛇行の非大蛇行期に発生しているが、大蛇行が終息した直後に起きるという。
このことは非常に重要で、現在発生している黒潮大蛇行をウォッチし続けて、それが終息した時に「スイッチが入った」として、厳重警戒すべきだということになる。
黒潮大蛇行の終息については、2025/02/12時点のJAMSTECの長期予測では、最短でも4月下旬以降になりそうだ。
そうなると、過去にはすべて7月~2月に起きていることから、南海トラフ巨大地震が発生する可能性が高まるのは2025年7月以降ということになる。
■南海トラフで一騒動
以降は新たに書き下ろす内容となる。
昨年2024/08/08に日向灘でM7.1の地震が発生した。
2024/08/08 16:43:日向灘、M7.1、最大震度6弱、深さ30km
この地震の5日前、2024/08/03 07:23にフィリピン南島東沖でM7.0の地震が発生した際に、「しばらく西日本は注意を」と呼びかけた。
また08/05にイタリア・エトナ火山が大規模な噴火を起こした際には「他人事ではない」と書いておいた。
その根拠としては幾つかあったが、まずこの日は天体配置で「カイト」ができるために要注意期間と考えていた。
そのため、note定期購読マガジン『大地震・災害ウォッチマガジン』2024年8月版で、星4つを付けて警戒を促していた。
この地震発生を受けて、同日2024/08/08 19:15に、気象庁は「南海トラフ地震臨時情報(巨大地震注意)」を発表した。
この日私は、日向灘の地震はブログで書いていたが、その後の臨時情報については書いていなかった。
恐らく頭痛体感があったのと、南海トラフ巨大地震が発生する可能性が高くなったとは考えにくいということだったのだろう。
そして日向灘地震から1週間後に、気象庁は「特段の異常な地殻変動が無く1週間が経過したことから、15日(木曜日)17時をもって特別な注意の呼びかけが終了しました」と発表した。
イソップ物語の「オオカミ少年」の童話ではないが、大地震が来るぞ来るぞと度々言っていると、「またか」と思われてしまい、誰も対処しなくなってしまう。
地震関係の学者諸氏は、「地震予知は困難」(「不可能」とは言わない)と尻込みしてしまう。
そうなると、アカデミズムの外で真剣に研究している人々に頼らざるを得なくなってくる。
加えて、「科学の先」の領域を受け入れられる人々は、秋田県の明菜さんのような実績がある人たちが予見している未来を参考にすることだろう。
私自身も、他人事ではない未来を告げられてしまっている。
※この人は故人になってしまったが、上記の「予見」していた人々の一人で、日本に関しても壮絶な未来になると予言していた。
絶版になれば入手困難になること必至だろう。
【Amazon】『ベラ・コチェフスカの大予言』