01/28に埼玉県八潮市の交差点で道路が陥没して大規模な道路陥没が生じたが、たとえ原因が下水道管の破損などとしても、その土地の過去の生成過程によって被害の大小は変わってくるということを解説する。
■八潮市の陥没
一昨日2025/01/28に、埼玉県八潮市の交差点で道路が陥没して、できた穴(直径約10m、深さ5m)にトラックが転落した。
その後、付近の道路でも陥没して穴が開いた。
最初の陥没は下水道管の破損が原因とみられ、続く陥没は汚水が周囲の土を削って起きた可能性があるという。
場所は、埼玉県八潮市八潮2丁目487
「お食事処サガミ」の前の交差点。
トラックの運転席は穴の中で土砂に埋もれまま。
運転手は74歳の男性だが、救助隊員の呼び掛けに応答はなく、容体は不明のまま。
最新の報道によれば、今日01/30未明に、大小2つあった陥没穴の間が新たに陥没して、1つの穴になったという。
■軟弱地盤と地震
テレビ朝日のニュースで、芝浦工業大学の稲積真哉教授が、こう語る。
「軟弱な地盤は地震などの揺れの影響を強く受ける。過酷な環境下で耐用年数より早く破損したか。同じような条件は日本全国にある。道路の陥没はいつどこで起きても不思議ではない」
また、八潮市の周辺はもともと海で砂が多い軟弱地盤なので、陥没が起きやすい地盤とも語っている。
陥没の翌日に私がInstagramで投稿してたように、やはり軟弱地盤も一因だったようだ。
■縄文海進
縄文時代早期の約7千年前、「縄文海進(じょうもんかいしん)」と呼ばれる現象が日本列島に起きていた。
この頃の海水面は、現在に比べて2~3m高く、日本列島の各地で海水が陸地の奥深くへと浸入し、複雑な入り江をもつ海岸線が作られた。
この影響で、現在の八潮市あたりも、下記マップの通りで海底だった。
■軟弱地盤の土地に住まない
私は10年前の阪神・淡路大震災から20年経った時に、大震災の教訓として我々が学ぶべきことを数回の連載記事としてまとめた。
「生き残るために、阪神・淡路大震災から何を学ぶか?(1)神戸市がネットで公開した写真」
2015/01/13
阪神・淡路大震災で、われわれは「旧河道」、つまり昔の川の跡などの軟弱地盤上に住むことの恐ろしさを思い知らされた。
首都直下地震が発生して首都が壊滅的被害を被る前に、30年前の教訓から学ばなければならないことは多い。