最新の黒潮の長期予測によると、2017年8月下旬に始まった黒潮大蛇行は来年以降も継続するようで、そのことによって自説の南海トラフ巨大地震などの発生の可能性を検討したい。
■黒潮の長期予測
JAMSTEC(国立研究開発法人・海洋研究開発機構)のサイト『黒潮親潮ウォッチ』で2024/12/04に発表された最新の「黒潮『長期』予測」では、来年2025/02/05までの黒潮の予測が書かれている。
それによると、黒潮大蛇行が始まってから7年5ヵ月以上になり、過去最長期間になっているが、来年もまだ大蛇行は続くと予測している。
まず、下記の図は2024/11/27時点の黒潮の状況を示す。
大蛇行の渦の南端が九州南端よりも南へ伸びている。
そして下記の図は2025/02/05時点の黒潮流路の予測となる。
このように、大蛇行は消滅する気配がなく、2ヶ月後も続くと予測されている。
元気象庁・岡田正実氏が1978年に著した論文では、南海トラフ上で発生する大規模な地震は、黒潮大蛇行が発生していない「直進期(非大蛇行期)」に発生しやすいという。
■前回の南海トラフ地震
では、前回の南海トラフ巨大地震と黒潮の関係はどうだったかというと、以下の通りだった。
凡例:【大蛇行】黒潮大蛇行、【エ】エルニーニョ現象
【大蛇行】1934/03/01~1943年秋頃(約11年間)
---【大蛇行】---
【南海】1944/12/07 13:36:昭和東南海地震、M7.9、最大震度6、深さ40km、犠牲者・行方不明者1,223人
1945/01/13 03:38:三河地震、M6.8、最大震度5、犠牲者・行方不明者2,306人、津波
【エ】1946年春~1947年春(1年間)
【南海】1946/12/21 04:19:昭和南海地震、M8.0、犠牲者・行方不明者1,443人
---【エ】---
このように、昭和東南海地震と昭和南海地震の発生前に、黒潮大蛇行は終息していた。
■次の南海トラフ巨大地震
では、次の南海トラフ巨大地震が発生する可能性はいつ頃になるだろうか。
過去に発生日がわかっている南海トラフ巨大地震は、下記の条件で発生していた。
(1) すべて7月~2月に発生している。
14回中6回が11月下旬から12月に発生。
(2) 黒潮大蛇行がわかった時期以降は全て黒潮の非大蛇行期(直進期)に発生している。
JAMSTECの最新予測では、来年2月初旬まで黒潮大蛇行が続くとあり、しかもその後も終息の気配は見えていない。
そうなると、少なくとも2025年前半までは、南海トラフ巨大地震の発生の可能性は低いと考えられるだろう。
以上は、あくまでも可能性であり、絶対的な指標ではないことは言うまでもない。
※3.11など過去の大災害では、飢えて命を落とした人はごく僅かで、むしろトイレの問題が重要となってくる。
【Amazon】『【防災グッズ大賞2024受賞】スツーレ® 簡易トイレ 防災からアウトドアまで』