新潟県中越地震から昨日で20年経ったが、3日前の記事で書いたように、台風進路・気温・降水量・耳鳴り体感などの前兆現象があった。だがそれで終わりではなく、前震と「異常震域の法則」によっても地震発生を予測できたことを解説する。
■新潟県中越地震
新潟県中越地震の概要や、前述の前兆現象については、3日前の記事で書いているので読んでみてください。
その他に、大地震をある程度予測できるような要素はなかったかを再度考えたところ、「前震」と「異常震域の法則」に該当する地震が起きていたことがわかった。
■前震
まず、この地震の前に前震らしき群発地震が起きていた。
下記のマップは、本震の6ヵ月前から新潟県中越地方で起きていた地震の震源を示す。
ここで、2004/09/07~08の24時間ほどで、M2~M4クラスの地震が6回ほど起きていた。
このことだけでも注目すべきことであり、地元の人々は大きな地震の前兆ではないかと注意すべきだった。
これらの群発地震は、本震から北北東へ10~20kmほどの地点が震源だった。
その後、1.5ヵ月ほど有感地震がなく、本震の当日朝に、本震の震源の10kmほど南方で、M2.5の地震が起きていた。
そして、その日の夕方にM6.8・最大震度7の地震が起きた。
今の自分ならば、少なくとも09/07~08の群発地震は、注意を向けていたかもしれない。
■「異常震域の法則」
また、これは私の独自の研究になるが、「異常震域の法則」がある。
ある地点で深発地震が発生し、最遠の震度1以上になった地点が震源から異常に遠方である場合を「異常震域」と呼ぶ。
この特異な地震に着目するようになったのは、2020年のことだった。
それ以前から、巨大地震の発生前に深発地震が見られることが多いことに気づいていた。
その後に紆余曲折を経て、震源から最遠の異常震域となった地点から半径300km以内の円を描き、地震の規模によって予測時期を絞り込んでいく。
下記の事例は新潟県中越地震の約1ヶ月前に三重県南東沖で起きたM4.7の「異常震域」を含む深発地震で、このように予測を行う。
そして実際に、この円内でM6.8の地震が発生した。
ただし、この時にはそのような法則性を発見しておらず、遡って予測を行った結果となる。
もう1件、中越地震の前日に長野県中部で起きたM4.7の深発地震で、これも異常震域を伴っていた。
■起こり得る規模
この2つの異常震域を伴う深発地震によって、2つの円内で予測期間中に予測した規模の地震が起きる可能性があると警戒できただろう。
もっとも、深発地震の発生後2週間以内にM5.0以上の地震が起きることはよく見られるが、M6.0以上やM7.0以上の地震は確率論的にいっても、そう頻繁に予測通りに起きるわけではない。
日本でM6.0以上の地震は、年に10~20回程度しか起きないためだ。
M7クラスの地震となれば、平均して1年に1~2回となる。
もちろん、M5クラスも含めて予測期間内に全く地震が起きないこともある。
この方法論よりも良い手段があれば、今後改訂していくかもしれない。
■今日の前兆現象
今日10/23 12:57に、太陽でX3.3の大規模フレアが発生し、CMEを伴っていた。
また、その前の10/19 15:56にはM6.5+CMEが起きていて、これらは既に地球で地震発生のトリガーとなり得るだろう。
実際、今日の1本目の記事で書いたように、昨夜10/23 23:38に千島列島でM6.2の地震が起きていた。
ここ数日、西日本で地震が増えていたが、先ほど10/24 20:16に福島県沖でM4.2・最大震度1の地震が起きたように、オホーツクプレート上の東日本でも地震が増えるかもしれない。
今日も朝から耳鳴りが強く、また14:30と18:15頃に例の右耳あたりの血管がドクドク脈打つ現象が起きていた。
まだ関東圏で地震が続きそうだ。
※私も書店で見つけて、買ってみた。
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