春以降の冬眠明けに各地でクマ出没が増えていて、人が襲われる事例も出ているが、これらのうち、出没の後で近場で地震が起きることもあり、地震前兆ケースがどれくらいあるのかを考えてみる。
■2023能登半島地震
まず、昨年2023/05/05の能登半島地震（M6.5）の直前には、近隣県でクマの出没が多かった。
以下にその例を示す。
※データの行末は地震の震源からの距離。
◎【日-3】2023/04/21 17:00頃：石川県七尾市中島町大平の県道23号富来中島線、約60km
道路を渡っているのが目撃された。
◎【月-5】2023/05/01 09:45頃：新潟県長岡市川口中山の田んぼ、146km
体長1mのクマ1頭が目撃された。
◎【月-2】2023/05/04 07:00頃：新潟県十日町市馬場葵の民家から350mの地点、約140km
体長1m位のクマ1頭が目撃された。
◎【月-1】2023/05/05 10:35頃：長野県松川村の馬羅尾高原の山林、約132km
山菜採りをしていた男性がクマに襲われ、顔をひっかかれたりして重症を負った。
その後に、下記の地震が発生した。
【月-1】2023/05/05 14:42：石川県能登地方M6.5、最大震度6強
■出没マップ
上記4件のクマ出没地点を、下記のマップ上にプロットした。
ここで興味深いのは、震源から最も近場だった能登半島の出没は、日時的に最も早い時点だったこと。
一つの可能性として、クマが震源から遠ざかるようにして移動していったということ。
このようなことは、他の大地震の前兆としての動物の行動でも見られる。
また、クマ出没データに付した月齢を見ると、日食・月食の前後5日以内に起きていたこと。
そして、地震発生時も同様だった。
私が現在研究していることの一つとして、動物園などから動物が逃げたり、人を襲ったりする事例の多くも、このように月齢とシンクロしている。
■栃木県の出没
次に、最近の栃木県でのクマ出没事例を見てみたい。
なぜ栃木県なのかというと、同県では地震の発生数が少ないということがある。
地震多発地域では、クマ出没がどの地震にも当てはまるといったことになるかもしれないが、元々地震が少なければ、その点で誤まった判断が少なくなる。
◎【満-5】2024/05/18 20:30頃：日光市鬼怒川温泉大原
【近】2024/05/18 04:01：近地点
◎【満+1】2024/05/24 05:26頃：栃木県矢坂市下太田→66km
→【新-1】2024/06/05 21:54：栃木県南部、M4.2、最大震度3
◎【新+1】2024/06/07 10:40頃：日光市西川→44km
【遠】2024/06/12 17:13：遠地点
◎【満-7】2024/06/15 01:20頃：宇都宮市石那田町→37km
◎【新+6】2024/07/01 11:55頃：日光市足尾町砂堀。病院関係者が襲われる。→4km
→【新+1】2024/07/07 23:28：栃木県北部、M3.4、最大震度2
ここで、近地点のデータを付記しているのは、新月や満月から6～7日前後だと、ちょっと離れすぎではないかという疑問が生じるだろうから。
つまり、このようなタイミングでは、スーパームーンと同様に月が接近するために影響が大きくなる可能性があるということ。
これらの出没地点と震源を下記のマップで示す。
いずれもクマ出没地点から震源までの距離は数十キロと近く、たとえ小規模でも地震前兆のケースがあった可能性がある。
もちろん、クマの出没がすべて地震前兆などとは考えていない。
だが、クマは非常に繊細な感覚を持ち合わせていて、そのために微細な電磁波などの地震前兆を人間以上に敏感に捉えて、退避行動を起こすのかもしれない。
これまでのクマの地震前兆事例は、有料noteマガジン『地震前兆百科』のうちの『陸上の動物：クマ』として公開している。
■明菜さんマガジン更新
今日は明菜さんのnoteマガジンで、重要な更新を行いました。
ここで明菜さんが書いているように、最近は見る夢が早く現実になることが多いようです。
※あーついに、私の「バイブル」が最後の1冊で6千円以上。何度も警告した通りで、それだけこの本の価値がわかってきた人が増えた。
こうなったら、改訂前の方はまだ安いから買うしかないでしょう。池谷先生、偉大な先覚者だったと称えられるか。
【Amazon】『大地震の前兆こんな現象が危ない: 動物・植物・気象・家電製品に起こる兆候 (プレイブックス 815) 』
