03/12(火)発行の『週刊アサヒ芸能』2024年03/21特大号に掲載された、私が取材された千葉県東方沖地震とスロースリップに関する記事が『アサ芸Biz』サイトに転載されたので、補足と共に紹介する。
■『週刊アサヒ芸能』
今日03/12(火)発行の『週刊アサヒ芸能』2024年03/21特大号で、私が取材された記事「スロースリップはまだまだ続く 専門家が警告l!千葉県東方沖地震で『8メートル級巨大津波』が襲来する!」が掲載された。
先週に記者からインタビューを受けた内容がまとめられたもの。
他に、武蔵野学院大学特任教授・島村英紀氏(地震学)もコメントを求められている。
この記事が、発売から5日経った今日、『週刊アサヒ芸能』のWebサイト『Asagei Biz』に転載されて、誰もが自由に読めるようになった。
前回の今年1月に取材された記事は、もう1つの『アサ芸プラス』に転載されたので、今回もそうだろうと思っていたが、『Asagei Biz』の方だった。
両者の違いは、いまだによくわかっていない。
■【1】3.11の前兆など
まず、2分割された記事の(1)の方は下記のページにある。
まずこちらを読んでみてください。
『専門家が警告!千葉東方沖地震で「8メートル級巨大津波」が襲来する(1)「夫婦岩」崩壊の不気味』
この記事に掲載された私のコメントを、重要なことなので引用しておく。
「東日本大震災の時には、2カ月前に宮城県沖で起きていたし、3月9日にマグニチュード(以下、M)7.3の前震の後にもスロースリップが発生しています。このことが少しでも早く報じられていれば、警戒できたかもしれません」
■夫婦岩
この記事で、私のコメントではないが、千葉県東方沖の群発地震に伴い、いすみ市の海岸にある「夫婦岩」が崩壊したことを取り上げている。
千葉県いすみ市岬町和泉にある奇岩で、観光名所となっている。
「夫婦岩」と呼ばれる岩は全国各地にあるが、もちろん最も有名なものは伊勢の二見興玉神社にある夫婦岩で、私もかつては伊勢聖地巡礼として訪れたことがある。
下記の写真は2009/09/21に巡礼した時のもの。
いすみ市の夫婦岩は、先月までは下記の写真のような姿だった。
伊勢の夫婦岩と似ているが、大きな方の岩に穴があるところが異なる。
ところが、02/27~03/01の千葉県東方沖の群発地震の後で、岩の一部が崩れたとSNSで投稿があり、海岸を管轄する職員が03/02に現地を調査したところ、下記の写真のようになっていた。
上記の写真2葉は、いずれもGoogleストリートビューより。
このように、大きな方の岩の穴の上部が崩壊してしまっている。
下記の図は2015年以降の千葉県のM1.0以上の地震の震源を示すが、ピンク線でスロースリップが発生しているエリアを示し、緑線で02/26~03/11の群発地震の震源域を示している。
可能性としては、上記マップ上で震源を示した03/01のM5.3の地震が大きなダメージを与えたのかもしれない。
この夫婦岩は、1980年代までは陸続きだったという。
それだけ、長年続いてきた地震によって地殻変動が生じたのだろう。
上記のNHKニュースにあるように、今後の地震で夫婦岩が更に崩壊する危険性があることから、岩には近づかないように呼びかけている。
■【2】大地震連鎖の可能性は?
ここでやっと後編の紹介に入るが、まず下記の記事を読んでみてください。
『専門家が警告!千葉東方沖地震で「8メートル級巨大津波」が襲来する!(2)首都直下型は30年以内で70%』
ここでまた、私のコメントを以下に引用する。
「例を挙げてみると、古いところでは、1892年12月9日にM6.4の『能登地震』が発生。その約1年半後の1894年6月20日に東京湾北部でM7.0の『明治東京地震』が発生しています。昨年には、5月5日に能登地方ではM6.5、最大震度6強の揺れを観測。それから1ヵ月も経たない5月26日に、千葉県東方沖でM6.2の地震が起きました。そして今年は、元旦に『能登半島地震』が発生したばかり。その観点からも、千葉の群発地震は大地震の前触れと見て、警戒するに越したことはないのです」
いわゆる私が提唱する「大災害シリーズ」の枠組みで、上記の明治東京地震の事例を紹介したが、もう一つの事例も含めて以下に再度示す。
★【北陸】1892/12/09:能登半島、M6.4、家屋の損壊、犠牲者1人
【南関東】1894/06/20:明治東京地震(東京湾北部)、M7.0、犠牲者31人
★【北陸】1896/04/02:能登半島、M5.7、家屋倒壊
【三陸沖】1896/06/15:明治三陸地震、M8.2-M8.5、犠牲者・行方不明者2万1959人、津波
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★【北陸】2023/05/05 14:42:石川県能登地方、M6.5、最大震度6強、死者1人。
2023/05/26 19:03:千葉県東方沖、M6.2、最大震度5弱、深さ50km
このような例もあるため、あくまでも可能性としてだが、長期的には能登半島→東方の房総半島などへの地震連鎖も考慮しておくべきだろう。
たとえば福島県沖でM5クラスの地震が続いていることも、「北陸→東方」への連鎖例として想定していたことだった。
すぐに首都直下地震に結び付く可能性は低くても、長期的な連鎖として全く無いわけではないかもしれない。