元日の能登半島地震は、国土地理院が公開しているGPSによる地殻変動データで、誰もがわかるような顕著な変動が現れていた。また2月の地殻変動データが公開されたので、要注意な変動がある部分を紹介する。
■地殻変動データ
国土地理院は同院が全国に展開する電子基準点GNSS連続観測網(GEONET)の観測結果から、地殻変動状況を定期的に公開している。
私はいつもわかりやすくGPSと書いているが、実際は「全地球航法衛星システム(Global Navigation Satellite System)」という。
これは、米国のGPS、ロシアのGLONASS、欧州委員会のGalileo、中国のBeiDouの4つの衛星システムを表している。
2月の最新の地殻変動概況が、03/08に下記の国土地理院のサイトで公開された。
■能登半島地震の前兆
ここでは、全国各地の地殻変動データをPDFとして公開している。最新のデータを紹介する前に、01/12に公開された12月の地殻変動データで、東北地方のデータが非常に派手なものだった。
赤字は私が書き入れているが、南の方から、能登半島地震の震源の方へと変動が見られる。
この矢印は地殻変動の大きさを表すベクトルであり、マップの左上に「2cm」がどのくらいかの凡例を示している。
全体の全国のマップを見ると、矢印は大陸の方まで地図の外へはみ出して伸びている。
■関東のデータ
次に、2月の地殻変動の資料で、下記の「関東・中部地方」のデータを見ると、スロースリップが起きていた千葉県以外にも、南関東で大きめの変動が見られる。
関東の西部でも丸で囲んだようなところがあるが、たとえば02/03には山梨県東部・富士五湖でM4.0、最大震度3の地震があり、それに対応するものかもしれない。
他の地域では、細かく見る時間的余裕がないが、自分が住む地域だけでも気になるところがあれば過去データを比べたりすると良いでしょう。