元日に発生した能登半島地震から1ヶ月以上経ったが、この地震で住宅倒壊などの被害が大きかった場所は、ハザードマップなどの資料であらかじめわかっていたことを示したい。
■液状化被害
能登半島地震により、今日時点で犠牲者は240人となった。
この地震では、広範囲にわたって液状化現象が見られた。
特に一部の沿岸部の地域では、津波と液状化現象の被害が重なって甚大な被害が生じたことがわかってきている。
これだけ大きな被害が出た一因としては、能登半島の地下に存在する流体(水)の移動が関与しているという。
加えて、日本海の地震の特徴である、地震発生後に津波が到達する時間が非常に速いことも被害を拡大する要因となった。
■液状化リスク
では、能登半島で液状化による被害のリスクが高いことは、地域住民に知らされていただろうか。
国土交通省北陸地方整備局のWebサイトに「石川県内の液状化しやすさマップ」があり、PDFでダウンロードすることができる。
例として、今回震度6強の揺れを伴った珠洲市の液状化しやすさを見てみた。
半島北端にある、珠洲市正院町と三崎町は、ともに震度6強の揺れを記録した。
そして、下記の写真のように、かなり激しい住居の倒壊などが起きた。
まずは、珠洲市正院町の方。
そしてこちらは、珠洲市三崎町の方。
このマップを見ると、「液状化危険度」は4が最高の危険度のなかで、いずれの町も「危険度3」を示すピンク色の部分があった。
正院町の西に隣接する珠洲市上戸町には最高ランクの危険度4を示す赤色の地域があり、なんとそこに隣接して珠洲市役所がある。
このような海辺の津波と液状化リスクが高い土地に市役所を建てること事態が、防災意識が欠けていると批判されても仕方ないだろう。
■耐震性より地盤
常日頃から言っていることだが、自分が住む土地の地震の被害を最小限に留めるには、まず何よりも「地盤」が良い土地に住むことだ。
その次に住居の「耐震性」があり、この順序は逆であってはならない。
では、私が住む東京都はどうかというと、「東京の液状化予測図」という資料で確認できる。
下記のマップを見ると、「液状化の可能性が高い地域」は23区の東側に集中している。
これは、縄文海進といって、古代には海だった地域だったことが軟弱地盤の要因となっている。
その西側を見ると、23区西側と多摩地区の大部分が「液状化の可能性が低い地域」を示す黄緑色となっていて、ところどころが「可能性がある」ことを意味する黄色となっている。
■自分が住む土地のチェックを
では、私が住む小平市の自宅はどうかというと、上記マップで拡大して示してあるが、黄色部分はまったくない。
つまり、液状化のリスクが低いいことを示している。
もちろん、津波到達の心配もない。
このような安全な土地に住んでいても、うちでは「東京脱出」を計画している。
詳しいことは書かない(書けない)が、言外の意味を察していただきたい。
それだけ時間的猶予がないということだ。