12/18夜に中国・甘粛省で発生したM6.2(M5.9)の被害地震では、140人以上の犠牲者が出て多くの家屋が倒壊した中で、夜は氷点下になる地域で救助作業が続けられている。
このような条件から、日本でも特に冬季の寒冷地で被災した際に何かしら学ぶことがあるだろう。
■甘粛省地震
昨日12/19の記事で書いたように、現地時間2023/12/18 23:59、日本時間で12/19 00:59に、中国北西部・甘粛省でM6.2(USGSではM5.9)の地震が発生した。
地域によって、日本の震度階級でいう震度5~6くらいの強い揺れに襲われ、耐震対策がされていない家では、損壊した家屋が多発しただろう。
震源の甘粛省の臨夏回族(りんか かいぞく)自治州は、緯度でいうと東京都とそう変わらない。
だが冬季の大陸では気候が異なるため、かなり冷え込んで夜間は氷点下20℃近くに達しているようだ。
下記の今朝のテレビ朝日のニュース動画では、地震発生の瞬間の映像が紹介されている。
下記の日テレNEWSのYouTube動画では、現地で被災した人々に取材したところ、家屋の一部が倒壊しても、自宅に居続ける以外に策がないと語っているという。
■極寒の地で被災すると
地震が起きた時間は現地時間で23:59の深夜だったため、倒壊した家では厳しい寒さに耐えなければならなかっただろう。
そのあたりのことは、東北以北で東日本大震災を体験された方は、辛い経験を覚えていることだろう。
東日本大震災の発生時の東北地方では、身体的には無事だったが、家屋が倒壊して、極寒の土地で寒さで亡くなった方々も多かったという。
2021年12月21日に内閣府が発表した「日本海溝・千島海溝 地震被害想定」では、寒さが厳しい北海道や東北特有の厳しい被害想定も公表されている。
いわゆる低体温症によって亡くなるリスクの高まる人々を「低体温症要対処者」と位置づけている。
冬季に巨大地震が発生した場合、低体温症になる危険のある人は、日本海溝の地震で4万2,000人、千島海溝で2万2,000人に達すると予測されている。
■防寒対策を
私は玄関にラドン濃度測定器とともに設置した「気象計」の値をカメラで常時記録することによって、毎時の屋内・屋外の気温・湿度・気圧などを参照できるようになっている。
ここ小平市では、今年は氷点下に達したことは一度も無かった。
だが、特に冬季に氷点下に達することが頻繁にある北海道・東北地方などでは、冬季に被災した場合の防寒対策が必須となる。
前述のように、地震からは助かったが、低体温症で命を失っては悲惨すぎる。
安く済む暖房手段としては、百均で入手できる使い捨てカイロがある。
ただし、体の一部を温める手段であり、長時間の防寒対策にはならない。
電気やガスが止まった際には、カセットガスを使うカセットガスストーブも役に立つ。
カセット自体は百均で買えるが、1本で燃焼時間は長くて3時間程度で、日常的に使用するにはランニングコストの点で問題がある。
カセットガスの保存期間は、保管方法が良ければ7年もつという。
就寝時には冬季用シュラフがあると助かるが、安いものでは3~4千円のものがある。
このあたりの防寒対策は、住んでいる地域や積雪の有無などによって条件が異なってくるだろう。
どのくらい役立つかわからないが、防災用のアルミブランケットの類の製品も安く出回っている。