今日12/25 13:49に、三重県南東沖でM5.0・最大震度1・深さ370kmの深発地震が起きたが、ここは南海トラフ巨大地震のうちの東南海地震の震源域であるために、巨大地震の発生と関係があるかどうか多くの人々の気になるところだろうということで、解説する。
■三重県南東沖
今日の地震の詳細は以下の通り。
2023/12/25 13:49:三重県南東沖、M5.0、最大震度1、深さ370km
12月といえば過去に南海トラフ巨大地震が最も多く、集中して起きていた月なので、このような地震が起きると特に地元の人々は気になるところだろう。
だが、基本的に南海トラフ巨大地震は今日のような深い震源で発生することはない。
1944/12/07の昭和東南海地震が深さ40km、1946/12/21の昭和南海地震が深さ24kmの浅い震源で起きていた。
■黒潮大蛇行
これまでの私の研究では、黒潮大蛇行が発生している時に南海トラフ巨大地震が発生したことはない。
大蛇行による潮位や海面水温の変化が何らかの形で巨大地震を「抑制」している可能性がある。
だが、研究によってわかってきたことは、たとえ黒潮大蛇行が発生中でも、南海トラフの震源域で深発地震は起きていたということだ。
これは過去データを徹底的に解析して確認したことだ。
そのため、今日の地震も深さを見て、やっぱりと思った。
■深発地震
では、この震源域で起きる深さ300km以上の深発地震が、南海トラフ巨大地震の発生と全く関係ないかというと、そうとは限らないかもしれない。
下記の表は、1919/01/01~2023/12/23に三重県南東沖で起きた深さ300km以上の深発地震を示す。
ここで「●」印をつけた2つの地震は、昭和東南海地震の3年前以降に起きた深発地震だった。
■深発地震が止まる?
1919/01/01~2023/12/23の約102年間で、深さ300km以上の深発地震は462回起きていた。
年間にすると平均で約4.5回起きていたことになる。
2ヵ月半に1回くらいの割合となる。
だが、昭和東南海地震と昭和南海地震の前には、下記のように6ヵ月間と9ヶ月間、深発地震が起きていなかった。
1943/11/17 23:57:三重県南東沖、M6.1、最大震度3、深さ361km
1944/06/03 13:10:鳥島近海、M5.8、最大震度1、深さ449km
【6ヶ月後】1944/12/07 13:35:昭和東南海地震、M7.9、最大震度6、深さ40km
1946/03/13 00:28:三重県南東沖、M5.6、最大震度1、深さ385km
【9か月後】1946/12/21 04:19:昭和南海地震、M8.0、最大震度5、深さ24km
何分このデータだけなので断定はできないが、このような傾向があるとすれば興味深いところだ。
つまり、南海トラフ巨大地震の発生前には、深発地震がストップするということがあるのかもしれない。
そのため、今後も深発地震がある程度長く起きない期間が続けば、且つ黒潮大蛇行が終息すれば、可能性として南海トラフ巨大地震が起きることを想定しなければならない。
※新たにヒーターが1台必要となり、カーボンヒーターを買ってみた。