太平洋の東側で海水温が高くなるエルニーニョ現象が特別に顕著な状態となる「スーパーエルニーニョ」状態になっているが、黒潮大蛇行と重なる現在から来年までの、南海トラフ巨大地震や豪雪の可能性を探ってみたい。
■「スーパーエルニーニョ」
まず、2023年春から続いている「エルニーニョ現象」について。
下記マップのように、南米ペルー沖の海面水温が平均よりも高い状態が続く現象をそう呼ぶ。
この冬は特に「スーパーエルニーニョ」と呼ばれる状態となるという。
通常のエルニーニョでは、ペルー沖の基準となる海域で基準値よりも0.5度以上高くなるが、この冬は2度以上高くなる状況が続く予測で、非常に強いエルニーニョということで「スーパーエルニーニョ」と呼ばれる。
この現象は、これまで4回起きたとされるが、この冬もそうなることが確実視されている。
■どうなるか
スーパーエルニーニョになると世界的に異常気象となる恐れがある。
前回2015年のスーパーエルニーニョでは、年末になっても気温が高い日が多く、スキー場では雪不足が深刻になった。
気象庁の10/11発表の「エルニーニョ監視速報」では、2024年4月までエルニーニョ現象が続く可能性を90%と高い値にしている。
■黒潮大蛇行
次に、黒潮が紀伊半島あたりで南へ大きく蛇行する「黒潮大蛇行」の状況について。
2017年8月下旬から始まり、現時点で既に6年以上継続している。
では今後の予測はどうかというと、『黒潮親潮ウォッチ』サイトの最新の長期予測によると、大蛇行が終息する気配はなく、年を越して続くと予測している。
そうなると、自説では黒潮大蛇行の発生中は南海トラフ巨大地震の発生が抑制されて、起きる可能性は非常に低くなる。
■南海トラフ巨大地震
更に、前述のスーパーエルニーニョとの関連ではどうかというと、スーパーエルニーニョの存在が言われるようになった以降では、まだ南海トラフ巨大地震は発生していない。
では、通常のエルニーニョ現象ではどうかというと、エルニーニョ現象の存在がわかった17世紀以降に発生した南海トラフ巨大地震6回中3回がエルニーニョ期に起きていた。
残る3回は通常期で、ラニーニャ現象の発生中は一度も起きていない。
サンプル数が少なく統計的に問題があるものの、もしこのような「傾向」があるならば、黒潮の直進期で且つエルニーニョ発生中という条件では、南海トラフ巨大地震が発生する可能性が最も高くなる。
そうなると、もし来年早々にでも黒潮大蛇行が収束し、まだスーパーエルニーニョ現象が続いているとすれば、南海トラフ巨大地震の発生に要注意ということになる。
■その他の災害
では、スーパーエルニーニョによって、その他の気象や災害に及ぼす影響はあるかというと、まずは記録的暖冬になる可能性がある。
これによって良いことばかりとは限らず、低気圧が通過することによって雨の日が増えそうだという。
気象庁の10/24発表の3ヵ月予報では、降雪量は北日本の日本海側で平年並みか少ないが、一時的に強い寒気が入り込み大雪の恐れもあるという。
地震については、これはnoteマガジンで詳細に書くつもりだが、エルニーニョ期には南米沖の大地震が増える傾向にある。
そうなると、特別な巨大地震では日本に津波が到達する可能性が生じることになる。
太平洋側の沿岸部に住む人々は、そのような可能性も常に意識しておくべきだろう。
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