今日は新島・神津島近海でM2~M3クラスの地震が続いたが、今後群発地震が続くとして、M6以上くらいの大規模な地震が起きる可能性を、南海トラフも含めた「黒潮域」の予測として考えてみた。
■新島・神津島近海
今日は、22:20までに新島・神津島近海でM2~M3クラスの地震が5回起きた。
この程度の回数では騒ぎ立てることではないが、今年は5月にこの震源域でかなりの回数の群発地震が起きていて、今後そのくらいになると注意が必要となる。
じつは、昨夜は普通に0時頃に就寝したが、今日未明3時頃に目が覚めた。
こういう時には直後に近場で地震が起きることがあるが、やはり起きた。
目覚めた3時頃から15分ほど経って、10分間くらいで新島・神津島近海でM2.5、M3.5、M2.8と3回の地震が起きた。
自分で「目覚め体感」と命名しているが、「地震敏感体質」なのか、時々こういうことが起こる。
■5月の群発地震
2023/05/22から同震源域で新島・神津島近海で群発地震が始まった。
この日だけでM2.0以上の地震が34回も起きて、その翌日に17回と続いた。
震源は新島の北西沖で、その北にある利島との間あたりに集中していた。
では、その後に国内で大きな地震が続いたかというと、2日後に下記の地震が起きた。
2023/05/26 19:03:千葉県東方沖、M6.2、最大震度5弱、深さ50km
よくあるパターンで、東京の南方で群発地震があると、その後に震源が北上して大きめの地震が起きることがある。
■海洋現象との関連
では、明日以降に群発地震となった場合、新島あたりで大きな地震が起きる可能性があるだろうか。
気象庁の震度データベース検索に収められた1919年以降の同震源域で起きたM6.0以上の地震を検索すると、8件あった。
ここで、エルニーニョ・ラニーニャと黒潮大蛇行と何らかの関係があるかどうかも調べてみた。
下記の表で、震央地名の右に赤字で「エ」とあるのはエルニーニョ現象発生中で、それ以外の通常期に起きていた場合は「×」としている。
ラニーニャ現象発生中は全く起きていなかった。
全体の期間中のエルニーニョ発生期間は約30%で、通常期は約35%くらい。
それが、8件中エルニーニョ期が1件だけでラニーニャ期が0件というのは、何らかの傾向を示しているかもしれない。
また、黒潮大蛇行の発生の有無を見ると、表中ですべて「直」と記しているように、すべてが黒潮の直進期(非大蛇行期)に起きていた。
これも顕著な偏りと言えるかもしれない。
■大地震が「抑制」される?
下記の図は3earthサイトで2023/11/11 09:00時点の黒潮の流れを示したもの。
これを見てわかるように、今日の新島・神津島近海の地震は、発生中の黒潮大蛇行の渦の内側が震源となっている。
自説では、黒潮大蛇行の渦の内側で潮位が高くなることにより、南海トラフを含めて大規模な地震の発生が抑制される。
ただし、ある程度の深さの深発地震はその限りではない。
前述の1919年以降のM6.0以上の地震は、すべて黒潮の非大蛇行期だったために、地震の発生が抑制されなかったということではないか。
ちなみに、黒潮大蛇行の長期予測では、今年いっぱいは大蛇行が続く予測となっているため、南海トラフ巨大地震の発生は今年は可能性が非常に低いということになる。