北欧アイスランドでマグマの活動が活発になって噴火の恐れが高まっていて、同島では4千人近い住民が避難するなど警戒が高まっている。
過去には破局噴火によって日本を含めた世界中の気象に影響を与えたこともあり、注意が必要となる。
■アイスランド
アイスランド気象当局によると、10月下旬以降に同島南西部でマグマの活動が活発化している。
11/14 00:00~12:00には700回以上もの地震があったという。
このため、首都レイキャビクの南西の町では道路の亀裂や地面の陥没が見られ、住民3800人ほどが町の外へ避難した。
■群発地震も
USGSでアイスランド付近の地震を検索すると、10月以降に下記マップのように、同島の南西部で地震が集中していて、10/25以降にM3.5~M5.3の地震が23回ほど続いている。
アイスランドでは、2010年に大規模な火山噴火があり、火山灰がヨーロッパの広い範囲に広がって旅客機の欠航が相次いだ。
ただし専門家によると、今回はそこまで爆発的な噴火になる可能性は低いという。
■過去の破局的噴火
アイスランドでは、1783/06/05に同島南部のラキ火山が大規模な水蒸気噴火を起こし、当時の全人口の24%が犠牲となった。
今回はその火山は関係がないかというと、上記マップにあるように、今回の群発地震に先だって、ラキ火山の北方でM4~M5クラスの地震が3回起きている。
アイスランドではまた、2010/03/20に南部のエイヤフィヤトラヨークトル火山が噴火して、この時にもヨーロッパ各地の航空機10万機が結構するなどの影響が出た。
東日本大震災のちょうど1年前だった。
18世紀のラキ火山噴火では、17日後に浅間山が大噴火している。
一説では、ラキ火山と浅間山噴火が「天明の大飢饉」を招く元となったとも言われる。
今回も、たとえそれほど大規模ではなくても、プレート境界の位置的にも世界の地殻変動が活発化するトリガーにならないとも限らないため、注視が必要だろう。