10/05にM6.6の地震・津波が発生した鳥島近海では、今朝もM6.3の地震が発生したが若干の海面変動の恐れがあるにとどまった。
自説では黒潮大蛇行の発生中は渦の内側では大きな地震が起きないが、M6.6の地震ではどうだったか、また過去の鳥島近海の地震についても調べたところ、新たな発見があった。
■鳥島近海の地震
まず、今朝の鳥島近海の地震について。
今回も無感地震となったが、気象庁が特別な地震として以下の通り発表があった。
この地震により、多少の海面変動が見られたが、被害はなかった。
気象庁は1週間程度は地震活動に注意するよう呼びかけている。
■黒潮大蛇行
現在、2017年8月に始まった黒潮大蛇行が、既に6年間続いている。
earthサイトの最新データでは、10/01 09:00時点の黒潮の流路は下記の図の通り。
上記マップに、10/05の鳥島近海M6.6の地震の震源をプロットしているが、大蛇行の渦の南端から更に南の地点だった。
自説では、現在のように黒潮大蛇行の発生中は、渦の内側あたりでは南海トラフ巨大地震を含めた大きな地震は発生が抑制される。
これは、元気象庁の岡田正実氏説では、大蛇行の渦の内側で潮位が高くなり、海水の重みで海底の地震の発生が抑制されるためだという。
ただし、これまでの私の地震データ回折によってわかったのは、深さ100km以上の深発地震では、大蛇行の影響を受けずに、大蛇行でも黒潮直進期でも同様に地震が発生する。
■大地震抑制の仕組み
では、現在はどうかというと見てみる。
下記マップは、USGSの過去1週間のM4.5以上の地震の分布を示す。
上記のearthの黒潮流路を参考に、手描きで書き込んである。
これを見ると、大蛇行の渦の内側ではM4.5以上の地震は全く起きていない。
ただ一つ、渦の境界線上あたりで今日10/06 12:49にM4.9の無感地震が起きていた。
だが、これは前述のように深さ440kmの深発地震であり、たとえ渦の内側にあっても、起こり得る地震だということになる。
昨日のM6.6を含めて、鳥島近海の地震はすべて大蛇行の渦の外が震源となっていた。
これがもし、震源がもう少し西へズレた東海道南方沖あたりであれば、深さが10kmの浅発地震だったために、大蛇行により発生が「抑制」されたかもしれない。
■過去の鳥島近海の地震
では、過去の鳥島近海の大きめの地震の発生と、黒潮大蛇行との関係はどうだっただろうか。
それを調べるために、気象庁の震度データベース検索で、1919/01/01/~2023/10/03の鳥島近海のM5.0以上の地震を抽出してみた。
その結果は下記の通り。
現在の黒潮大蛇行の渦の境界を手書きで書き入れている。
ここで、震源の深さが色分けされていて、青が濃くなるほど震源が深く、青→緑→黄→オレンジ→赤となるほど震源が浅くなる。
これを見ると、大蛇行の渦の内側あたりの地震は、ほとんど青色で深さ200km以上の深発地震だったことがわかる。
大蛇行の渦の近くの、より浅い震源の地震は、大蛇行期は「D」、直進期は「C」を記している。
このように、大蛇行の渦の外側でも近くの震源の地震の多くは、直進期(非大蛇行期)に起きていたものが目立つ。
そして、大蛇行の渦から離れて東の方へ行くと、青色以外の浅発地震が殆どとなる。
このように、短時間で調べた限りでは、黒潮大蛇行と地震発生の関係について、自説と矛盾しない結果となっている。
■南海トラフ巨大地震の可能性
ついでというわけではないが、黒潮大蛇行の話題を出したところで、南海トラフ巨大地震の発生の可能性はどうなっただろうか。
JAMSTECの『黒潮親潮ウォッチ』の今日公開の最新情報を見てみる。「2023年12月9日までの黒潮「長期」予測」を見ると、黒潮大蛇行は今後も続く予測となっている。
これを見ると、12月上旬までは、大蛇行の渦がちぎれることもなく、安定して続く予測となっている。
参考までに、10/05の鳥島近海M6.6の震源を書き入れておく。
過去の南海トラフ巨大地震は、12月に最も多く起きていたが、少なくとも黒潮大蛇行の状況を見る限りでは、今年は巨大地震が発生する可能性は低いと考えられる。
■『明菜の夢見るマガジン』
今日、10月版を更新しました。
はっきり書けないけれど、この記事で書いているようなことも含まれていて、今月もまた大変な内容になってきた。
※「置き配」が話題となっているが、うちでは以前から頑丈な宅配ボックスを利用している。
私が買ったものは販売されていないが、このアイリスプラザのものは大きさなどが似ている。