今日日本時間09/09 07:11に北アフリカのモロッコでM6.8の地震は、09/09 22:10のAFP通信によると犠牲者数が1000人を超えて今年のトルコ・シリア地震に次ぐ大きな被害地震となった。
被害状況や、首都直下地震を前にしてわれわれがこの地震から何を学べるかを考えてみたい。
■モロッコM6.8
再度載せておくが、地震の詳細は以下の通り。
Time:2023/09/08 22:11:01 (UTC)
2023/09/08 23:11(モロッコ時間)
2023/09/09 07:11(日本時間)
Location:31.110°N 8.440°W
Depth:18.5km
AFP通信によると、09/09 22:11の時点で犠牲者が1000人以上、怪我人が1200人以上だという。
下記のYouTubeのTBSニュース動画で、地震で倒壊した建物や押しつぶされた車の映像が見られる。
かなり衝撃的な内容なので、閲覧注意で。
■古都マラケシュ
震源は下記マップの通りで、西部の都市マラケシュの近く。
Googleアースで調べると、震源はマラケシュの中心部から南西へ約72kmほどの近場だ。
Googleストリートビューで眺めると、震源付近は砂漠地帯に道路だけが通っているというイメージ。
距離感を伝えるために日本に例えると、東京駅から南西へ72kmほど行くと神奈川県の小田原あたりになる。
いずれ起きるだろうとされる首都直下地震の被害想定のうち、「西相模湾」のパターンがその震源に近いだろう。
マラケシュはモロッコ西部の都市で、人口は92万人ほど。
かつての帝都であり、現在は経済の中心地として栄えている。
マラケシュの旧市街全体が、1985年に世界文化遺産に登録されている。
その世界遺産の一部が地震により被害を受けたという報道もある。
BBCニュースによると、生存者の中には、寝ていてベッドが飛んできたのではないかと思ったと語る人もいる。
ある人は、地震発生時は完全な混乱状態で、大参事が起きたという雰囲気だったという。
■ノーマーク?
今回のモロッコ地震を何らかの形で「想定」していたかというと、答えは部分的に「YES」であり「NO」でもある。
まず、モロッコでM6クラスの被害地震が起きるかというと、そのような事態を想定していた人は世界で少ないだろう。
ただしモロッコの人々は、M6未満でも1960年の犠牲者12000人の地震や、2004年の犠牲者630人の地震を想起し、そのような大災害が再び訪れる可能性を考えていた人もいただろう。
下記のマップは、USGSの検索機能で、1900/01/01~2023/09/09にモロッコ周辺で起きたM6.0以上の地震を検索した結果。
つまり、モロッコ内陸では、この120年以上の間、今日までM6.0以上の地震は一度も起きていなかった。
その北の方の、ユーラシアプレートとアラビアプレートの境界付近では、非常に頻繁に起きていた。
つまり、モロッコは関東あたりとは異なり、プレート境界から離れているために、あまり大きな地震が起きないというのがある。
では、「NO」の部分はどういうことがあったかというと、まずは9月の天体配置がある。
これは私が単独で出しているnote定期購読マガジン『大地震・災害前兆ウォッチマガジン』の9月版「地震予測中情報2023年9月版~首都直下地震発生時期の情報も」で書いていた。
ここでは、今日09/09が★5個が最大のうち3個付けた要注意日で、それ以降は天体配置による要注意期間が続くことになる。
その警戒期間に入る直前の09/08 18:09にケルマデック諸島でM6.6、そして直後の09/09 07:11にモロッコ地震が起きて、やはりと思った。
また、昨日からはトカラ列島近海で異例な回数の群発地震も起き始めたが、過去の同震源域の群発地震を調べて、ある発見をしてしまった。
天体配置から、不思議な共通点があるのだ。
これについては、いつもの通り上記のnoteマガジンで発表することにしたい。
■首都直下地震などを想定する
このモロッコ地震は、都市の近くで起きたことによって、南関東の首都直下地震の被害想定を考える際に参考になる部分がある。
まず、下記のNHKニュースの記事では、モロッコ在住の日本人が取材を受けている。
震源から130kmほど南西にある都市アガディールにいたホテル経営者の女性は、電話取材に対して、こう回答した。
「揺れは2分くらい続いていたように思う。海沿いの街にいたが津波があるかどうか分からなかったので念のため車で高台に避難した」
海辺の都市にいたために、地震の直後に自主的に車で高台に避難したというのは、賢明な行動だろう。
下記のウェザーニュースによると、震源付近では、日本でいうところの「震度5強~6弱程度」の揺れになったのではないかという。
震源は陸地直下の浅いところと推定されていて、地震の規模の割に強い揺れが狭い地域を襲ったと考えられるという。
以下に、この100年ほどで日本で起きた、大きな被害を伴った都市型の直下型地震の例を挙げる。
1923/09/01 11:58:関東地震、M7.9、最大震度6、深さ23km
1995/01/17 05:46:兵庫県南部地震、M7.3、最大震度7、深さ16km
2016/04/16 01:26:熊本地震、M7.3、最大震度7、深さ12km
2018/06/18 07:58:大阪府北部地震、M6.1、最大震度6弱、13km
これを見てわかるように、震源の深さが今日のモロッコ地震の18kmと同様に浅い震源だったことも、被害を大きくした一因だった。
現在想定されている首都直下地震では、震源のパターンによって異なるが、深さが20km程度とされている中で、実際に起きてみたらもっと浅い直下型地震だったということもあり得るのではないか。
そうなると、想定されていたよりも大きな被害が生じる恐れもあるのではないかと考えたりする。
このことについては、また別の機会に詳細に検討することにしたい。
※毎日愛飲の赤堀商店の深蒸し茶。
このコスパでがん予防に良いのだから有り難い。