昨夜はイオノグラムが4観測点とも強い波形を示していて、関東圏など複数の震源で地震がありそうと昨日の記事で書いたが、結果として起きたのは鳥島近海M4.2の無感地震だった。
では、黒潮大蛇行の渦の圏内でなぜM4クラスの地震が起きたのかについても解説する。
■イオノグラム
まず、昨夜2023/08/13 18:00時点のイオノグラムを再度示す。
今日19時時点で、起きたのは下記の地震だった。
2023/08/14 14:03:台湾東沖、M4.1、無感
2023/08/14 15:16:鳥島近海、M4.2、無感
2023/08/14 14:06:カムチャツカ半島、M4.5、無感
おそらく、台湾東沖の地震の前兆が沖縄のデータとして現れて、国分寺と山川(鹿児島県)のデータは鳥島近海の地震の前兆だったのだろう。
稚内の方は判断が難しいが、鳥島近海よりもカムチャツカ半島南沖の地震の前兆を捉えていたのかもしれない。
■鳥島近海M4.2と黒潮大蛇行
自説では、黒潮大蛇行が発生中は渦の内側で大きな地震の発生を抑制するはずだ。
では、今日の鳥島近海M4.2の地震は、抑制されなかったのだろうか。
そのことを自分でも疑問に思い、詳細に調べてみた。
最新の黒潮の流路は、海上保安庁のデータをGoogleEarthに取り込んだ下記のマップの通り。
これを見ると、現在の黒潮はそれほど南の方へ大きく蛇行していないようだ。
このため、大蛇行の渦の南端よりも南方が震源となった鳥島近海M4.2の地震は、大蛇行に「抑制」されなかったようだ。
それ以前に、今日の地震はM4クラスと、それほど大規模な地震ではなかったこともある。
更に、自説では今回のように深さ427kmの深発地震は、黒潮大蛇行の影響を受けずに常に発生し得る。
これは過去の地震データを解析して発見したことだ。
■その他の地震
上記GoogleEarthのマップで、他に3つほど過去1ヶ月以内に発生していた地震の震源が示されている。
ずべて、気象庁の地震情報に現れなかった無感地震だった。
これらを1つずつ見ていくと、まず07/31の鳥島近海M4.5の地震は、今日のM4.2と同様に渦の外側だったため大蛇行の影響を受けなかった。
このため、深さ9kmと震源が浅かったが大蛇行に抑制されなかったと考えられる。
次に、その西側のちょうど大他行の蛇行流路上あたりで07/27に起きた鳥島近海M4.8の地震は、これも深さ354kmと深発地震だったために、大蛇行の影響を受けなかったと考えられる。
最後の、08/05の三重県南東沖M4.0の地震については、これも深さ353kmの深発地震だったため、大蛇行の渦の内側でも抑制されずに発生したと考えられる。
■南海トラフ巨大地震
このように、過去1ヶ月間で南海トラフ周辺で起きていた地震は、すべて自説で説明できるものだった。
最新の黒潮大蛇行の長期予測では、少なくとも10月上旬まで大蛇行が継続するとされている。
このため、少なくともその間は黒潮大蛇行は終息せず、南海トラフ巨大地震の発生を抑制してくれると予測できる。
ここで前提となっているのは、いわゆる南海トラフ巨大地震は深さ数百キロの深い震源では発生しないということがある。
以上の説明原理としては、元気象庁の岡田正実氏説では、黒潮大蛇行が発生中には潮位が高くなり、そのため海水の重みで巨大地震の発生が抑制される一因となるのではないかという。
ただし、自説の深発地震は対象外といった部分も含めて、定規で測ったように全てがうまく説明できるとは限らない。
あくまでも、一つの「傾向」と考えていただきたい。
※南海トラフ関連の本を探していて、また大変な本が出てきた、読まなければと思った。
『南海トラフ巨大地震でも原発は大丈夫と言う人々』、樋口英明著。
「原発をとめた裁判長」という映画にもなった人物が、原発問題に背を向ける政界財界司法界の人々に対して、原発の危険性を明らかにする本。