台湾で「リュウグウノツカイ」が泳ぐ姿が撮影されたという報道があったが、実は「サケガシラ」だという意見もある。
すでに対応する地震が起きた可能性も含めて検討してみたい。
■リュウグウノツカイ?
まず、この事例が日本で紹介されたのがかなり遅かったようで、07/20にテレ朝ニュースで報道されていた。
ここでは日時を示していないが、台湾の報道などを調べると、06/28のことだったようだ。
ダイビングインストラクターの王成如さんが、台湾北部・新北市の神澳漁港近くの海域で、リュウグウノツカイが泳ぐ姿を撮影した。
体長が2mほどもあったといわれ、その大きさからも、世界中で話題になった。
だが、日本の専門家によると、これはリュウグウノツカイではなく、同じ深海魚のサケガシラではないかという。
■サケガシラ?
たしかにリュウグウノツカイは、「立ち泳ぎ」の状態で泳ぐことがあるようだ。
体長3mほどの個体が多く、過去には最大8mものが報告されたこともある。
これに対して、サケガシラではないかという意見もある。
下記の写真は、1901年に出現したサケガシラで、体長2.5mだったという。
本来のリュウグウノツカイは、下記の写真のようにタテガミのような背びれがついている。
このため、台湾で撮影された個体はサケガシラではないかという声が強くなっている。
■サケガシラの前兆事例
やはり外観的にもサケガシラ説が優勢のようで、その前提で話を進める。
私がExcelで管理している「宏観・動物異常現象データ」で、サケガシラのケースを見てみると、出現後に周辺で対応する地震が起きた場合もある。
だが、厳密に検討すると、地震の規模が小さいとかタイムラグが長すぎるなどの例も多い。
最近の例では、下記のものがある。
2021/04/11:静岡県沼津市、牛臥海岸の波打ち際で発見。
→2021/04/21 21:29:伊豆大島近海、M4.3、最大震度3、10日後、距離53km
地震の規模はM4クラスと小規模だが、10日という短期間で地震が起きた事例として、前兆現象の可能性はあるだろう。
これらの過去事例を参考にして、今回のケースですでに対応する地震が起きているとすれば、この地震ではないかというのがある。
2023/06/28:台湾・新北市の深澳漁港近くで撮影。
→2023/07/08 19:47:台湾南東部・蘭嶼郷南沖、M5.6、10日後、距離360km
もっとも、出現からまだ1ヶ月経っていないということで、これが本命だったという地震がこれから起きる可能性もあるかもしれない。
これまでの私の研究では、リュウグウノツカイは巷で古くから言われているほどには顕著な大地震の前兆事例というのは多くはないようだ。
サケガシラの事例も含めて、今後も地震前兆かもしれないデータの収集を続けることにしたい。
※ESPカード。お遊び半分で子供とやってみようと、安いので買ってみた。