06/12のHBC北海道放送の番組で、前日に浦河沖で緊急地震速報が発出されたM6.2の地震を受けて、今後に北海道で巨大地震が起こり得るかについて専門家に語らせているが、自分の研究でそのような巨大地震が起こり得るかを考えてみたい。
■国内で地震が多発
この記事の対象とするのは、HBC北海道放送のTV番組。
これが下記の昨日の記事となっている。
『「マグニチュード9クラスの地震がいつ起こってもおかしくない」と専門家 相次ぐ地震から身を守る対策は』
まず、この記事タイトルが「ちょっと煽り系?」と思わせるような要素を持っているが、実際に読んでみるとどうだろうか。
5月から浦河沖M6.2が起きた06/11まで、最大震度4以上の地震が19回も起きていた。
たしかにこの回数は異常で、比較として1年前の同期間を調べると、4回しか起きていなかった。
このことでコメントを求められた北大大学院地震火山研究観測センターの高橋浩晃教授は、「直接的な関連はないとみています」と語る。
今の地震学者は月相や天体配置や海洋現象と地震発生の関係を考えてくれないから、このような地震の集中は「たまたま」としか思えないのだろう。
ただし、北海道はこの10~20年くらいは地震が少ない時期にあり、「千島海溝沖でマグニチュード9クラスの地震がいつ起こってもおかしくない状態にあるということだけはいえます」と語っている。
■M9クラスの巨大地震
M9.0以上の巨大地震は、米USGSで検索すると、1900年以降の123年間ほどで、6回しか起きていない。
もちろん日本では、2011年の東日本大震災の1回だけだ。
上記マップで示すように、1900年から50年以上も起きていなかった。
明確な周期性は見られないが、たとえば太陽黒点数の周期とは関係しているだろう。
下記のグラフは、1975年以降の太陽黒点数の変遷を示す。
ここに、その期間に起きたM8.3以上の地震をプロットしてみた。
M8.3という中途半端な規模にしているのは、M8.2以下だと多すぎてグラフに書き込めず、M8.5以上では逆に少なくなるためで、他意は無い。
以前から指摘しているが、巨大地震というのは、太陽黒点数のピーク時期には少なくなる傾向がある。
ピークに向かう途中か、またはピークを過ぎて下降中に起きることが多い。
ピーク時に起きているように見えるものも、詳細に調べると短期的に黒点数が少なくなっていた時期に起きていたりする。
その意味では、現在は予測されているピークに向かう途中であり、巨大地震発生の可能性は低くなって行きそうだ。
ただし、このようなデリケートな内容は、海洋現象など様々な観点から総合的に判断する必要がある。
エルニーニョなど海洋現象の観点からの巨大地震発生リスクについては今まで散々書いているので、省略する。
これらは1本のブログ記事で全てを書けることではないので、今日はこのへんで止めておく。
「いつ起こっても」云々の結論としては、短期的には今すぐに起きる可能性は低くなるが、いつまでもその状態が続くわけではないということになるだろうか。
※今NHKのニュースウォッチ9で、電動アシスト自転車のバッテリーが爆発した事例を紹介していたが、某国製の非純正品はリスクが高まり、泣きそうに高くてもやはり十分な品質管理を経た純正品を買うべきだろう。
うちではブリジストン製を使っているが、そのような将来のコストを考えて購入すべき。
年式によってかなり価格が変わったりもする。