気象庁は昨日06/09に、エルニーニョ現象が既に発生していると発表したが、「ただのエルニーニョではない」という解説もあり、場合によっては台風・猛暑・地震などの災害にも注意が必要な時期となるかもしれない。
■エルニーニョ
気象庁は昨日06/09に、「エルニーニョ現象が発生したとみられる」と発表し、秋にかけてエルニーニョ現象が続く可能性が高い(90%)と予測した。
エルニーニョ現象は、南米の西沖の基準海域で海水温が平年よりも上昇することが数ヶ月間続くもの。
下記のMBS(毎日放送)の番組に出演した前田智宏気象予報士によると、今年は『単なるエルニーニョ』ではなく、西日本豪雨や台風21号で各地で大きな被害が出た2018年とよく似た状況になると予測している。
その時のエルニーニョは、2018年秋(11月)~2019年7月の9カ月間にわたり発生した。
そして、「正ダイポールモード現象」(正IOD)も発生していた。
これは、インド洋の西側で海水温が高温となる現象で、2019年夏~秋に発生した。
今回も正IODが発生する予測となっている。
■前回のエルニーニョ
では、その時にどのような気象現象などが発生していたかというと、以下の通り。
【エ】2018年秋(11月)~2019年7月(9ヵ月間)
【暖冬】2018年冬~2019年
2018/12/22~23:アナック・クラカタウ島で噴火により山体崩壊
2019/04/18 13:01:台湾・高雄、M6.3、犠牲者1人
2019/05/10:日向灘、M6.3、最大震度5弱
【正IOD】2019年夏~秋
【猛暑】2019年。
【噴火】2019/06/05:中米グアテマラ、フエゴ山
2019/06/18 22:22:山形県沖地震、M6.7、最大震度6強
2019/06/28~07/08:平成30年7月豪雨、犠牲者263人、負傷者484人
【深発】2019/07/28 03:31:三重県南東沖、M6.5、最大震度4、深さ393km
【噴火】2019/07/20:南米ペルー、ウビナス山、大爆発
【噴火】2019/07/28 17:25:桜島南岳で爆発的噴火、噴煙3800m。
以上は、特に地震や火山噴火が必ずしもエルニーニョやIODの海洋現象と関連しているかどうかは別として、このような現象が起きていた。
猛暑や水害については、かなり影響があったといえるだろう。
■黒潮大蛇行も
エルニーニョと正IODに加えて、黒潮大蛇行が発生中だったことも前回と同じで、その点でも注意が必要だ。
具体的には、たとえば関東地方に猛暑をもたらす傾向があることが最新の研究でわかっている。
前述の前田気象予報士によれば、春に終わったラニーニャ現象の影響もまだ残っていて、インドネシアあたりの海面水温が高く、台風が例年よりも多くなるかもしれないという。
この夏から秋にかけては特に、全国的に大雨・水害・猛暑などを前提として十分な備えをしておくべきだろう。
地震・噴火の影響に関しては、後日noteマガジンの方で詳細を解説することにしたい。
※水害対策として役立つ防水シート。
例えば大雨時に屋内に取り込めない植物を守るためなど様々な用途で使用可。