今日ウェザーニュースが発表した今年の台風の傾向によると、エルニーニョ現象とダイポールモード現象の影響で平年よりも台風の数がやや多い予測となるというが、そうなると私の研究では大地震が増える恐れがあり、そのあたりの概要を解説する。
■台風3号?
まず、現在フィリピンの東の海上にある熱帯低気圧が、早ければ今日にも台風3号に発達して北上してくる見込みだという。
そして沖縄の南あたりまで北上してくると、台風の勢力次第では線状降水帯などが発生する可能性もあるという。
そして、台風3号は進路次第では前回の台風2号と同じようなコースをたどる可能性があるという。
■台風の傾向
今日ウェザーニュースが、2023年の台風の傾向についての予測を発表した。
それによると、今シーズンは台風発生域の対流活動が平年より活発になり、台風の発生数は平年よりやや多く、29個前後となる予想だという。
平年より多くなるエリアは、下記マップの赤色で示す部分になるという。
上記マップに私が黒潮大蛇行の流路を書き入れているが、これも台風に影響を与える要素だろう。
この予測は、夏に発生する可能性が高いエルニーニョ現象に加えて、こちらも発生する見込みの「正のインド洋ダイポールモード現象」の両者が影響を与えるという。
「正のインド洋ダイポールモード現象」は、「正IOD」と略されるが、下記の図のように、インド洋の西側で海水温が高くなる傾向がある。
■大地震の発生は?
最近も紹介したと思うが、私のこれまでの研究では、エルニーニョ現象の発生中は日本で大地震の発生が少なくなる傾向がある。
ただし、特に規模が大きい地震については、その限りではないかもしれない。
過去に日本周辺で発生したM7.8以上の地震とエルニーニョ・ラニーニャ・正/負IODの発生の関係によって集計すると、エルニーニョと正IODの発生中に多い傾向がある。
前述のように、この夏はこの2つがダブルで発生する見込みであり、大規模な地震に要注意ということになる。
ただし、このような大規模な地震は過去100年間ほどでそう多く発生していないため、統計的にあまり有意とは言えない。
また、黒潮大蛇行期にはM7.8以上の地震は非常に少なくなるので、その点は大地震の発生の可能性についてネガティブな要因となる。
ただし、これは現在発生中の黒潮大蛇行がまだ続けばという前提であり、終息すればその限りではない。
黒潮大蛇行が終息しても、エルニーニョと正IODはまだ続くかもしれない。
ただし、IODは通常は秋に終息する傾向があり、冬以降は続かないだろう。
エルニーニョ現象の発生は、2018年秋~2019年夏に9カ月間続いて以来となり、久しぶりだが、この時にはアナック・クラカタウ噴火で山体崩壊、グアテマラ・フエゴ山噴火、ペルー・ウビナス山や桜島で爆発的噴火、台湾・日向灘でM6クラスの地震などがあった。
また水害では、平成30年7月豪雨で260人以上の犠牲者が出た。
海洋現象と火山噴火や地震発生の関係は私の独自の研究であり、受け入れられない人が多いだろうが、こういうことを研究しているということで、一応紹介しておく。
このあたりのデータは、有料note『【常時更新】エルニーニョ・ラニーニャ・黒潮など海洋現象と南海トラフなど大地震・火山噴火・水害の関係』でまとめている。
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