フィリピン北部ルソン島のマヨン山が、溶岩流出で大規模な噴火を起こす恐れがあり1万人以上の地域住民が避難しているが、過去の噴火の後では日本で大きな地震が続くことがあり、注意が必要となる。
■マヨン山
マヨン山は、フィリピン北部ルソン島の北の端にある標高2463mの火山。
17世紀から21世紀初頭までの400年間に50回も噴火を起こしている。
近年でも、2013年に犠牲者5人が出る噴火があった。
1993年には突然の噴火で火砕流によって70人余りが亡くなった。
現地では、富士山よりも美しい山とも言われている。
この火山が噴火すると大規模な被害が出ることもあり、1814年の大規模噴火では溶岩流が町を襲い1200人が犠牲となった。
現在は先週から火山活動が活発化して、06/11夜には火口から溶岩が流出した。
フィリピン当局は数日から数週間以内に陀規模な噴火が起こる恐れがあるとして、周辺住民1万3千人あまりを避難させた。
■マヨン山噴火時期の解析
過去に発生時期がわかっているマヨン山の噴火を、発生月・海洋現象などによって集計すると、以下のようになる。
◎発生月
02月: 03回
05月: 01回
09月: 02回
2月が3回と最も多く噴火しているが、年代が離れていて、たまたまそういう偏りができたわけではなさそうだ。
◎海洋現象
次に、エルニーニョ・ラニーニャと、正・負ダイポールモード現象(IOD)の発生時期によって集計してみる。
・エルニーニョ期: 2回
・ラニーニャ期 : 1回
・通常期 : 3回
・正IOD期: 1回
・負IOD期: 1回
・通常期 : 4回
いずれも、偶然による確率に近く、偏りはなさそうだ。
■過去の噴火→日本の地震連鎖
次に、マヨン山が噴火したあとで日本で大きな地震が続いた例を示す。
1923/09/01 11:58:関東地震、M7.3、最大震度5、犠牲者10万人以上
【噴火】1923/09/09:フィリピン・マヨン山
1923/09/26 17:23:伊豆大島近海、M6.8、最大震度4
【噴火】1984/09/09~:フィリピン・マヨン山。
1984/09/14 08:48:長野県西部地震、M6.8、最大震度4、犠牲者・不明者29人
1984/09/19 02:02:関東東方沖、M6.6、最大震度4、深さ13km
【噴火】1993/02/04:フィリピン・マヨン山、死者約70人。
1993/02/07 22:27:能登半島沖、M6.6、最大震度5、深さ25km
【噴火】2000/02/23~:フィリピン・マヨン山。
2000/03/28 20:00:硫黄島近海、M7.9、最大震度3
【噴火】2013/05/07:フィリピン・マヨン山、死者5人。
2013/05/14 09:32:マリアナ諸島、M7.3、最大震度1
2013/05/18 14:47:福島県沖、M6.0、最大震度5強
1984年の長野県西部地震のように、日本で被害地震が続くことがある。
特に現在は5月から能登半島地震など強い地震が続いていて、今月は天体配置から下旬からが特に要注意な期間が続く。
1994年などはマヨン山噴火の3日後に、現在地震が続いている能登半島沖でM6.6の地震が起きていたが、このような連鎖の可能性もあり得るかもしれない。
また、オランダの地震予知研究家フランク・フッガービーツ氏は、今日06/13以降の数日間が天体配置から要注意期間が続くと警告している。
マヨン山はまだ噴火したわけではなく、噴火の恐れだけで終わるかもしれないが、実際に噴火した後は日本の地震に注意した方が良さそうだ。
※2008年の岩手・宮城内陸地震をきっかけに、自分が地震の前兆を察知出来る「地震耳保持者」だと気付き、日々「地震耳情報」を発信するという筆者の本に関心を持ち、買ってみた。これから読む。