産経新聞Webニュースで、東北大災害科学国際研究所の遠田晋次氏が2/6のトルコ・シリア地震の影響がまだ続く旨を語っていて、更に東日本大震災の影響による大地震は近畿地方も含めてまだ起こり得るというが、そのことを自分なりに検討してみた。
■トルコ地震の影響
昨日は民間地震研究機関「ブレイン」代表の内山義英氏の地震予知情報を紹介した。
その記事で内田氏は、02/06のトルコ・シリア地震の影響はまだ続くというか、始まったばかりと明言していた。
そして今日紹介する遠田晋次・東北大災害科学国際研究所教授(地震地質学)も、同様の考えのようだ。
産経新聞ニュースで4/12と5/23に掲載された『トルコ地震に学ぶ』という記事がある。
ここで遠田氏は、こう語っている。
「東日本大震災の影響による地震が今も東日本で続いているように、大地震の影響は数十年から100年ほど継続しているケースもある。」
■「大災害シリーズ」
「100年ほど」という部分はともかく、巨大地震の影響が数十年ほど続くというのは、私も以前から考えていたことだ。
私は『大災害シリーズ』と呼んでいるが、巨大地震や火山噴火が起き出すと、そういう時期が20年とか30年ほど続くことがある。
更に遠田氏は、1995年の阪神・淡路大震災の影響による大地震も、まだ起こり得るという。
そして、近畿地方では和歌山県北部の中央構造線も含めて、今後も要注意だと語る。
■現代に似た大災害シリーズ
現代に似た過去の「大災害シリーズ」としては、9世紀の「貞観期」と20世紀の「昭和期」がある。
その期間中に起きた大地震・火山噴火は以下の通りだ。
■貞観期 864~888 24年間
【富士山】864年07月02日:貞観6年5月25日:富士山・貞観大噴火
【東北】867年11月16日:陸奥国大地震。
【近畿】868年07月30日:播磨国地震、M7台。
【三陸沖】869年07月13日:貞観地震、M8.3~8.6、三陸沖、犠牲者約千人。
【噴火】874年03月25日:開聞岳噴火、犠牲者多数。
【南関東】878年10月28日:相模・武蔵地震、M7.4、犠牲者多数。
【南海】887年8月22日:仁和地震、M8.0〜8.5。
【近畿】887年7月29日:京都、M6.5、犠牲者約千人。
【噴火】888年06月20日:八ヶ岳噴火、山体崩壊、犠牲者多数。
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■昭和期 1923~1947 24年間
【噴火】1923年07月11日:御鉢噴火
【南関東】1923年09月01日:関東地震、犠牲者・不明者約10万5千人
【噴火】1925年08月頃~:西表海底火山噴火
【三陸沖】1933年03月03日:昭和三陸地震、M8.1、犠牲者・不明者約3千人。
【噴火】1940年07月12日:三宅島噴火、犠牲者11人
【九州】1941年11月19日:日向灘、M7.2。
【噴火】1942年11月16日:北海道駒ケ岳噴火、VEI3。
【中国】1943年09月10日:鳥取地震、M7.2、震度7相当、犠牲者約千人。
【噴火】1944年07月11日:昭和新山噴火によって隆起。
【南海】1944年12月07日:昭和東南海地震、M7.9、最大震度6、震度7相当、犠牲者・不明者約千人。
【東海】1945年01月13日:三河地震、M6.8、最大震度7相当と推定、犠牲者・行方不明者2,306人、津波。
【噴火】1946年01月30日~:桜島、昭和大噴火。
【南海】1946年12月21日:昭和南海地震、M8.0、犠牲者・行方不明者1,443人。
【浅間山】1947年08月14日:噴石により11名の犠牲者。火山爆発指数:VEI1。
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そして現代の「平成・令和期」では、阪神・淡路大震災を起点とすると、以下のように災害が続いている。
最後の数行は、今後起こり得る大災害ということで追記している。
■平成・令和期 1995~ 28年間+
【近畿】1995年01月17日:兵庫県南部地震、M7.3、
【十勝沖】2003年09月26:十勝沖地震 - M8.0 、最大震度6弱、犠牲者・不明者2人。
【浅間山】2004年09月1日:噴火。
【北陸】2004年10月23日:新潟県中越地震、M6.8、最大震度7、犠牲者68人
【三陸沖】2011年3月11日:東北地方太平洋沖地震、M9.0、犠牲者・不明者2万2千人
【近畿】2018年6月18日:大阪府北部地震、M6.1、犠牲者6人
【北海道】2018年09月06日:北海道胆振東部地震(M6.7)、犠牲者42人
【噴火】2021年08月13日:福徳丘ノ場の海底火山噴火で新島出現(プリニー式)
【南関東】20xx年:令和首都直下地震?
【南海】202x年:令和南海トラフ地震?
【富士山】20xx年:富士山令和大噴火?
最後の南関東(首都)直下地震、南海トラフ巨大地震、富士山噴火は、必ずしも3つ揃って必ず起きるとは限らないが、過去には続けて起きたことが多かった。
福徳丘ノ場など関東の南方で海底火山の大噴火が起きた後は、関東あたりで大地震や火山噴火が続くことが私の研究でわかっている。
やはり、「まだまだこれから」と思っておいた方が良いだろう。
※災害発生時のサバイバルに欠かせないヘルメット。
折りたためて、他カラーもあり。