【連載】熊本地震から7年~大地震の前に起きていたこと(2)科学的予測・神託・空白域

2023/04/14

地震前兆 地震予測 地震予知 予言

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2016年4月16日に発生した熊本地震から7年が経とうとしているが、今日は2日前にM6.5の前震が起きた日で、連載2回目として、熊本地震を科学的に予測していた人や粥占を紹介し、「空白域」ができていたかどうかも検討してみた。


■熊本地震の前震

この連載は昨日掲載した下記の1回目から読まれることをお薦めする。

ここでは、どのように大地震が連鎖したかということと、海洋現象の時期と密接に関係していたことを紹介している。



地震の詳細は以下の通りで、本震と同様に最大震度7を記録した。


2016/04/14 21:26:熊本県熊本地方、M6.5、最大震度7


7年前のこの日、ブログでどういうことを書いていたかと見ると、地震発生の直後にテレビのニュースを見て地震を知ったようだ。


2日後の本震では、ここ小平市も震度1の揺れとなったが、さすがに前震では東は長野県止まりだった。

最大震度7は、5年前の東北地方太平洋沖地震以来だった。


■科学的地震予測:村井俊治氏

次に、熊本地震の発生を独自の方法論で予測していたと思われる人々を紹介する。

まず、に日音の測量学の権威でJESEA(地震科学探査機構)を率いる村井俊治・東京大学名誉教授


JESEA(地震科学探査機構)の週刊メルマガでは、熊本地震を予測していなかったということで批判を受けていた。

「週刊MEGA地震予測」では、「熊本エリアの予測情報を直前号にて 掲載できなかったことを深くお詫び申し上げます」と謝罪した。


だが、村井氏は2年前の2014年5月から、熊本・鹿児島で顕著な沈降現象があることを呼びかけていた。

「九州南部」を警戒ゾーンとして、「これまで九州は基本的に沈降しない傾向にあったのですが、熊本と鹿児島全域に顕著な沈降が見られるようになった


それが、熊本地震の2週間ほど前の2016年3月30日のメルマガを最後に、九州南部の警戒を外してしまった

その理由は、下記の2016/04/26の「NEWSポストセブン」の取材で語っている。


「我々はこの地域の警戒を2014年5月から呼び掛けていました。あまりにも長く警戒を続けていては読者を不安にさせてしまうということで、昨年末に顕著な沈降現象を確認しながらも約2年が経過したことから警戒を解除してしまった



このような読者への配慮が仇となってしまった。


■科学的地震予測:林湧森氏

次に、台湾の地震預測研究所(地震予測研究所)の林湧森(リン・ダイソン)所長の地震予測があった。

私は林氏とFacebookで繋がっていて、時には地震予測などの情報をやり取りしたりする。


林湧森氏は2016年03月30日に自身のブログ上で、「4月13日までに日本中部・南部(東京・大阪以南)でM7の大きな地震」が起きると警告していた。


「20日以内に日本でマグニチュード7以上、あるいは台北でM6以上の地震が起きる」と書いていた。

予測範囲を3日過ぎたが、たしかに日本でM7.3の地震が発生した。


■神託「粥占」

次に、人間ではなく神による予言を。

この2016年に各地の神社で行われた「粥占」のうち、九州の神社で不穏な託宣が出ていた。


2016/03/15に千栗(ちりく)八幡宮(佐賀県・みやき町)で行われた「お粥試し」でのことだった。

1200年以上の歴史をもち「日本三大粥祭り」の一つに数えられる。


この年では、1年全体としては十段階中の「八」で、おおむね良い年になるだろうとの総括が出た。


だが、以下の3つの結果は、無視できないものだった。

その結果起きたことも付記する。


・台風:「大いに見ゆ」

 →2016/08/16~:台風10号、犠牲者・行方不明者23人。


・事故:「大いに見ゆ」

・地震:「見ゆ」

 →2016/04/16:熊本地震、犠牲者273人(前震含む)。


本震の震源から約70kmの距離にあり、神社があるみやき町でも震度4の揺れとなった。


いつも書いているように、「神による予言」は、当たる・外れるではなく、常に神託が現実のものとなると考えておくべきだ。

そのような意識をもっていた人々の中には、地震や水害に対する「備え」を心がけていた人もいたかもしれない。


■地震空白域

次に、熊本地震の震源の周囲では、地震の前に何かしら地震発生の傾向があったかどうかを調べてみた。


気象庁「震度データベース検索」で、1986/04/17~2016/04/13の30年間に起きたM1.0以上の地震を検索すると、下記マップのように「空白域」ができていた。


円よりも楕円になるが、本震の震源の周囲、半径2~3kmほどでは、過去30年間にM1.0以上の地震が全く起きていなかった。

これまで調査した大地震に比べると、あまり顕著なものではないかもしれないが、このような傾向が見られる。


このように大地震に先立って空白域ができるとしても、事前に見つけることは中々難しい。


たとえば、自分が住む地域を調べてみて、周囲ではこの数十年ほど、よく地震が起きているのに、このあたりだけ起きないようでおかしいと気づいたとすれば、それによって自分や家族の命が助かることもあるかもしれない。

だが、そのためには相当な努力が必要だろう。



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50gと軽く安く、防災バッグに入れておけば火災発生時にも役に立つ。





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ノンフィクションライター、地震前兆研究家、超常現象研究家、ブロガーの百瀬直也が地震・災害などを扱うWebサイト/ブログ。

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