3/24夜に、米国南部ミシシッピ州で竜巻が発生し、少なくとも23人の犠牲者などが出ている。
私の研究では、米国でも日本でも竜巻の発生が多い・少ないは実は季節性があり、また海洋現象と関係があることがわかっているが、では日本ではこれから竜巻が起こりやすくなるかどうかについても考えてみる。
■米国で竜巻
一昨日2023/03/24夜(米国時間)、米国ミシシッピ州で竜巻が発生し、竜巻や暴風雨によって建物が倒壊するなどの被害が出た。
これまでに少なくとも23人が犠牲となり、数十人が怪我をしている。
竜巻の報告は、3/25の朝までにミシシッピ州とアラバマ州で20件以上あった。
竜巻は、時には自分の家が一瞬にして壊滅するという点で、ある意味大地震よりも恐ろしい。
下記のYouTubeニュース動画を見ると、何も知らずにパッと見では、まるで巨大地震か津波によって家屋が全壊した跡のように思えてくる。
■竜巻が発生しやすい時期
2021年に米国で竜巻が相次いで発生した時期があって、その時に竜巻発生の季節性やその他の条件があるかどうか調べてみた。
すると、米国でも日本でも、竜巻の発生は海洋現象の状態によって増えたり減ったりするらしいことがわかってきた。
その海洋現象とは、エルニーニョ現象とラニーニャ現象だ。
概要だけ書くと、米国ではラニーニャ現象の発生中に竜巻の発生が多くなり、エルニーニョ現象の発生中には相対的に少なくなる。
現在は冬でラニーニャ現象が終息した直後で、それでまだ影響があるのかもしれない。
調査した結果の詳細は、note定期購読マガジン『大地震・災害前兆ウォッチマガジン』2021年12月号で、「竜巻の発生の季節性と海洋現象との関係~日本の竜巻発生時期は予測できる」と題した記事でまとめた。
通常このマガジンは記事単体では購入できないようにしているが、既に時間が経ったもので、このような重要な研究結果を発表しているものについては、今後は後で価格を設定して記事単体でも購入できるようにしたい。
この記事も、価格を設定した。
■日本で発生が多い時期
では日本では、竜巻の発生はどれくらいの頻度で起きるのだろうか。
過去の竜巻の発生状況を見ると、平均して年に25個程度発生するという。
確率的には、1つの市町村で90年に一度程度の非常に稀な現象だが、一度発生した時が前述のように怖い。
下記の気象庁の『「竜巻」による被害』のページでは、過去の竜巻による被害例が6件ほど載っている。
ここで、エルニーニョ・ラニーニャ現象の発生中だったものは、行頭に【エ】【ラ】【通】(通常期)で示している。
【ラ】1999/09/24:0人、愛知県
【エ】2006/09/17:3人、宮崎県
【エ】2006/11/07:9人、北海道
【ラ】2011/11/18:3人、鹿児島県
【ラ】2012/05/06:1人、茨城県
【通】2013/09/02:76人、埼玉県・千葉県・茨城県
このように、1件を除いてラニーニャかエルニーニョの発生中に起きていた。
このことは調べる前からある程度想定内で、前述の2021年の私の調査でも、ラニーニャ期には多く、エルニーニョ期にはやや少なくなるという結果が出ている。
また、これら6件の発生時はすべて黒潮大蛇行が起きていない「直進期」であることも興味深い。
エルニーニョ現象と黒潮大蛇行の発生時は、何かしら竜巻の発生を抑制する要因があるようだ。
今年は夏頃にエルニーニョ現象が発生する可能性が50%あり、発生すればその期間中は竜巻発生の可能性が低くなることになる。
ただし、日本では竜巻は発生月で見ると夏季に集中して多くなるので、その意味ではやはり注意が必要だろう。
■夢求三昧ブログ
「【小鳥】ピンク色のかわいい小鳥『ピンクロビン』の写真が可愛すぎる~フェイクかリアルか?探求してみた」
※米国では今回の竜巻で7万戸以上が停電したというが、災害発生後の停電時の対策は何よりも重要。