2/1に東京都が都地域防災計画・震災編の修正案を公表して、これまでの犠牲者数の予測を半分に減らすことを目標とした。
一方、都が公表している「地震に関する地域危険度測定調査」の最新版で首都直下地震の発生時にどの地域が最も危険度が高いかのランキングを公開していて、これを見ると大きな被害が出る可能性が高い地域がわかる。
■都地域防災計画の修正案
2022年に都が公表した都地域防災計画・震災編では、首都直下地震の最大犠牲者約6万1000人、約19万4000棟の建物被害が出ると算出した。
それを今回、30年度までに半減させるという目標を掲げた。
計画の大幅修正は12年11月以来で、約10年ぶりとなる。
何をどのように修正して、被害想定を減らすのだろうか。
最近10年間で都内のタワーマンションなどの超高層建築物が約4割増えて、エレベーターが止まれば多くの住民に支障が出る。
今回の修正案では、自家発電設備や蓄電池で電源を確保する「東京とどまるマンション」登録制度を進める。
そして関連業界と連携してエレベーターの技術者を全国から集める復旧体制を築くという。
修正案は3月2日まで「パブリックコメント(意見公募)」を受け付けた後で、正式決定される見通しとなっている。
■地震危険度
首都直下地震の被害想定を低減するといっても、実際は例えば東京都にしても、住む地域によって大地震発生時の危険度は大きく異なる。
何を今更的だが、ではどこの地域が特に危ないのかは、「地震に関する地域危険度測定調査」の第9回調査結果として公開している。
危険度の評価項目は、大きく以下の3つある。
・揺れによって建物が倒壊する危険度
・火災が起こった際に、燃え広がる危険度
・災害時の救助・救援活動の困難さ
これらによって「総合危険度」を評価し、順位付けしている。
下記マップの色付けで、茶色→赤→オレンジ色→黄緑→水色の順に危険度が高い。
白い部分は測定対象外となっている。
やはり、以前からわかっているが、東京都23区の東側で茶色部分が目立つ。
■信頼しすぎはダメ
私はこのような危険度マップを見慣れているが、パッと見で疑問をもったのは、23区の東京湾沿岸部分が最低の水色となっていること。
これは、複数の評価項目の総合的結果によるものであり、たとえば住宅の密集度では危険度が高くないためであるかもしれない。
それを考えると、この危険度はあまり信頼しすぎない方が良いのかもしれない。
もちろん、津波のリスクも考えれば、もっとも違った結果となっているだろう。
茶色部分は危険は危険であり、その地域に住む人々は自分たちの命の存続にかかわっているだけに、真剣に考えるべきだろう。
上記マップで、真ん中の上あたりにピンク色の丸印で囲んだところが、私が住む小平市の地域。
南北を危険度2の地域に挟まれているが、私が住むところは辛うじて最低の危険度1となっている。
■土地の価値=価格ではない
一般に多摩丘陵は地盤が硬く、23区の大半のように縄文時代は海だったということもない。
防災観点からの「土地の価値」は、必ずしも土地の価格に比例しないことは、以前から何度も指摘していることだ。
東京都への流入は、最近になってまた増えつつあるという報道を見たが、果たして首都直下地震が起きたらどうなるかを知った上での移住なのかと、唖然としてしまう。
それから、「首都直下地震はいつ起きるのか?」については、誰もが知りたいところだろうが、それに対するヒントを与えられるような情報を、おそらく書籍の形で関東大震災100年の日までには公開しようと計画している。
※都民必携的なマップ。