少し前になるが、2/18に諏訪湖で氷が二つに割れて筋が通る「御神渡り(おみわたり)」現象が、今年は発生しない「明けの海」であることが正式に判定されたが、これはその年に災害などが起きる凶兆とされていて、諏訪大社の粥占「筒粥神事」の結果と合わせると今年はどうなるだろうか。
■「明けの海」
諏訪湖の湖面に張った氷がせり上がる御神渡り現象。
その判定と神事をつかさどる八剱神社は2月18日に、今季の結果を神前に奉告する神事「注進奉告祭」を行った。
そして、今年は5季連続で御神渡りが出現しない「明けの海」になったことを奉告した。
この氷の筋を、古の人々は神(諏訪大明神)が通られた跡だと信じた。
そのため、御神渡りが発生しない年は「明けの海」と呼ばれ、凶年になると信じられた。
ただし、近年は地球温暖化の影響もあるのか、明けの海となる確率が高いので、その点も考慮して総合的に判断する必要がある。
■筒粥神事
また、諏訪では諏訪大社下社春宮で行なわれる粥占「筒粥神事」の結果がその年の吉凶を占う重要な神事とされる。
これは、釜揚げしたヨシの茎を割り、1年の世相と農作物の豊凶を占うもの。
結果は五分満点で判定され、特に「三分五厘」の結果は「三行半(みくだりはん)を突きつける」と解釈されて凶兆とされることが多い。
過去5年間の筒粥神事の結果と御神渡りの有無を合わせると、以下の通りとなる。
右側には、その年に起きた主な災害などの出来事を示す。
・2019年 三分五厘・明けの海→九州北部豪雨、台風15号・19号
・2020年 三分五厘・明けの海→コロナ禍、令和2年7月豪雨
・2021年 三分五厘・明けの海→コロナ禍、令和3年7月集中豪雨(熱海土石流)
・2022年 三分六厘・明けの海→フンガ・トンガ海底噴火で国内津波
・2023年 三分五厘・明けの海→浮き沈みがない1年?
ちなみに、2011年の筒粥神事の「世の中」の結果も三分五厘で、「今年は怖い1年。過去20年間の中で最も悪い結果が出た。春は早めに訪れるが途中で予想外のことが起き、足をすくわれる相」との厳しい総評となった。
そして2ヶ月後に東日本大震災が発生した。
このように、筒粥神事の結果は2022年以外は三分五厘と続き、凶兆とされるが、今年の総評では、「今回、お粥の米粒がまだらだったことから『中』が多かった」「浮き沈みがない1年になるのでは」といった評価となった。
こうなると判断が微妙になるが、念のため悪いことが起こる可能性も考えておくべきかもしれない。
また他の神社の粥占の結果も含めて、今年はどんな年になるかについては、私の有料noteマガジンで毎年更新して解説している。
■今年の粥占の傾向
今年の粥占は、重要な予言が降りることが多い九州の神社の結果が3月に出揃うまではわからない。
だが、自分が住む地域で行なわれた神社の粥占の結果を最優先で考えて重視すべきなのは言うまでもない。
また、私の研究では諏訪大社の筒粥神事の結果が日本全体に関わる予言となることが多く、やはり「明けの海」の結果も重視すべきだろう。
※イスラエル人の元イスラエル大使が古代イスラエルと諏訪の結びつきを探究した貴重な書。