正月以降の日本の異例な寒波は、一部で報道されているように現在発生中のラニーニャ現象の影響もあるが、また東京など関東で降雪の可能性もまた海洋現象であるラニーニャと黒潮大蛇行の影響が大きいことを、過去のデータで示したい。
更に、一昨年と昨年冬に福島県沖で被害地震が起きていたが、今年もまた発生する可能性を海洋現象を元に予測してみる。
■最強寒波の原因
1月下旬から始まった全国的な寒波は、今季最強どころか、10年に一度とも報道されている。
その結果として、各地で豪雪や凍結で大きな被害が出ている。
だが、このような寒波は、予めある程度予測できていたことなのだ。
たとえば気象予報士の片山由紀子氏は、2022/11/12のYahoo!JAPANニュースで、発生中のラニーニャ現象の影響から、この冬は東日本を中心に寒い傾向となると予測していた。
その結果、下記の1/25のニュースにあるように、今冬の最強寒波は、「ラニーニャ現象が一因か」と考察している。
■3ヵ月予報
2023/01/24発表の最新の気象庁3ヵ月予報では、日本中に寒波をもたらしたラニーニャ現象は、冬の終わり(2月頃)までに終息する見込みと予測している。
そして、2023年は猛暑や寒波など極端な気象に見舞われそうだという。
■過去の東京の降雪
そうなると、この冬は関東の東京あたりでも降雪の可能性が出てくることになる。
下記のブログ記事では、過去の降雪データを解析し、「東京降雪量ランキング」をまとめている。
この1位~5位に更に追加して、10位までのランキングを作成してみた。
東京都の年間の総降雪量による順位では、下記の通り1969年が年間66cmで、過去70年くらいで最高だった。
私が加えた6位~10位は、最高の降雪量となった日ではなく年単位のデータのみ示している。
その年に起きていた海洋現象も示している。
凡例:【大蛇行】黒潮大蛇行、【ラ】ラニーニャ現象、【エ】エルニーニョ現象
01位:【大蛇行】1969/03/12 30cm 年間66cm
02位:【大蛇行】2014/02/08 27cm 年間49cm
03位:【大蛇行】2014/02/15 27cm 年間49cm
04位:【ラ】1968/02/16 23㎝ 年間30cm
05位:【大蛇行】【ラ】2018/01/22 23cm 年間24cm
06位:【エ】1998年 年間38cm
07位:【エ 秋~冬】1986年 年間36cm
08位:【無】1994 年間35cm
09位:【無】1953 年間34cm
10位:【ラ 冬~春】1968 年間30cm
これを見ると、1位~5位は黒潮大蛇行またはラニーニャ現象が発生していた。
いずれも、東日本に寒さをもたらしたり東京で降雪となる可能性が高くなるといわれている。
自分的には、かなりスッキリした解析結果となった。
■福島県の大地震
次に地震の話になるが、一昨年と昨年の冬に起きていた福島県沖の被害地震について。
以下に、過去15年間くらいに発生したM6.5以上の福島県沖または福島県内陸の大地震が発生した際に起きていた海洋現象を示す。
【ラ】2007年夏~2008年春(1年間)
2008/07/19 11:39:福島県沖、M6.9、最大震度4
---【ラ】---
2010/03/14 17:08:福島県沖、M6.7、最大震度5弱
【ラ】2010年夏(8/10以降)~2011年5月中旬(0.8年間)
---【ラ】---
【ラ】2011年秋~2012年冬(0.5年間)
2011/04/11 17:16:福島県中通り:M6.4、最大震度6弱、犠牲者4人
2011/07/31 03:53:福島県沖、M6.5、最大震度5強
2011/08/19 14:36:福島県沖、M6.5、最大震度5弱
---【ラ】---
【大蛇行】2013年7月~2014年4月頃(約10ヶ月間)
2013/10/26 02:10:福島県沖、M7.1、最大震度4
---【大蛇行】---
【エ】2014年夏~2016年春(3/10以降、1.8年間)
2014/07/12 04:22:福島県沖、M7.0、最大震度4
---【エ】---
【ラ】2016年夏~2017年春(1年間)
2016/11/22 05:59:福島県沖、M7.4、最大震度5弱
---【ラ】---
【大蛇行】2017年8月下旬~(4年4ヵ月以上)
【ラ】2017年秋(10/11以降)~2018年4月(4/11~4/30)(0.5年間)
---【ラ】---
【ラ】2020年夏(9/10以前)~2021年春(6/10以前)(1年間)
2021/02/13 23:08:福島県沖地震、M7.3、最大震度6強、犠牲者3人。
---【ラ】---
【ラ】2021年秋~2022年冬半ばまで継続の可能性60%(11月予報)
2022/03/16 23:36:福島県沖地震、M7.4、最大震度6強、犠牲者3人
---【ラ】---
---【大蛇行】---
このように、多くの場合はラニーニャ現象発生中または黒潮大蛇行の発生中に起きていた。
このことも私は以前からの研究でわかっていたことで、今日このデータを作って、更にスッキリした。
これでわかるのは、一部地域では海洋現象と大地震の発生はリンクしているのだということ。
2021年2月と2022年3月に福島県沖で被害地震が起きたが、この冬もラニーニャ現象と黒潮大蛇行が続いている限りは起きる可能性が十分あるということになる。
特に福島県周辺や津波被害の可能性がある地域に住む方々は、注意して過ごしてください。
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