昨日宮城県石巻市の沖合でリュウグウノツカイが捕獲されたが、県内での出現はこれまで例がないと思われ、劇レアケースとして地震前兆の可能性を検討していたところ、宮城県沖で地震が起きた。
■リュウグウノツカイ
昨日12/07 05:30頃、石巻市の離島・網地島(あじしま)から2kmほど離れた沖合で、リュウグウノツカイが大型の定置網にかかっているのが発見された。
まだ生きていたため、仙台市宮城野区にある「仙台うみの杜水族館」までトラックで輸送され、館内で最も大きい水槽に移された。
だが、すでに衰弱していて、およそ30分後にはまったく動かなくなり、まもなく息絶えた。
下記のYouTube動画で、水族館で泳ぐ姿を見ることができる。
■激レアさん?
この報道を知って「あれっ?」と思った人は、事情をよく知っている人かもしれない。
「何の?」というと、宮城県に限らず、東北の太平洋沖でリュウグウノツカイが出現することは、ごく稀だということ。
私の動物異常行動データベースでは、リュウグウノツカイの出現事例が90件以上あるが、宮城県を含む東北の太平洋沖では出現事例が皆無だった。
東北から更に南下していくと、茨城県沖も0件で、千葉県沖では19年前に1件だけあった。
そして、その当日に下記の地震が発生した。
2003/02/08:千葉県館山市波左間の定置網
→2003/02/08 22:13:三宅島近海、M5.1、最大震度4、距離120km
この対応づけはあくまでも可能性としてであり、実際はこの地震の前兆ではなかったかもしれない。
■宮城県で初めてか?
仙台うみの杜水族館で魚類を担当する阿部鮎美さんは、「20年近く飼育員をしているが、宮城県内で水揚げされたのは聞いたことなく、すごくめずらしい」と語る。
そのことは、前述の通りで私も同意する。
では、他の地域ではどうかというと、いつも書いているように、たとえば極寒期に日本海で出現があっても、それが地震前兆であるケースは「劇レア」となる。
それ以外のケースでは、地震前兆の可能性があると思われる事例は非常に多い。
■最近の前兆事例
最近のケースでは、下記の前兆と思われる事例がある。
2022/11/11朝:富山県富山市岩瀬天神町で、富山湾沖で捕獲され岩瀬漁港に水揚げされた。
→2022/11/14 22:27:石川県能登地方、M4.2、最大震度4、深さ12km
これが対応する地震だとすれば、3日目に84kmの距離で地震が発生したことになる。
昨日の出現の後で、たとえ今後に地震が起きたとしても、「大地震」の前兆とは限らないだろう。
タイムラグが非常に短く、または距離が非常に近い場合は、私が収集したデータでは、たとえばM4クラス程度の地震の場合もあり得る。
そのような観察が不十分なままに、どこかの大学で「大地震」だけを対象に統計的調査をすると、「深海魚の出現が地震前兆は迷信」というような短絡的な結果が出てしまうことになる。
上記、目一杯アイロニーを込めて、そう書いておく。
■宮城県沖で地震
…と、ここまで書いて記事を投稿しようと思ったが…。
考えてみると、今日は宮城県沖で地震が起きていた。
地震の発生は知っていたが、M3クラスと小規模なので、リュウグウノツカイのことを書いている最中は、頭から消え去っていた。
昨日リュウグウノツカイが捕獲された地点から震源までは、約78kmと近場だった。
これまで、さすがにM3クラスの地震は地震前兆の可能性の検討対象に含まずにスルーしていたが、翌日にこれだけ近場の地震だと、検討しなければならない。
ただし、今後もっと大規模な地震が起きる可能性は、考えておかなければならないだろう。
■食健三昧ブログ
「【糖質制限】江部康二医師著『認知症にならない最強の食事術』~2周先行く糖質論はヤバすぎる~「医学の常識は非常識」?」
※Amazonで「リュウグウノツカイ」で検索すると、アッと驚くほど多く多様な商品が見つかる。
一時期の深海魚ブームは去っても、根強いファンがいるようだ。