今日12/16から、政府は「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の運用を開始した。
北海道から岩手県にかけての沖合にある「千島海溝」と「日本海溝」でマグニチュード7クラスの地震が起きた場合に、国がその後の巨大地震の発生に注意を呼びかけるものだが、この実施によってわれわれの生活に及ぼす影響や、対象地域の人々はどのような対応を取れば良いかなどを考えてみる。
■北海道・三陸沖後発地震注意情報
内閣府・防災情報のページで、「北海道・三陸沖後発地震注意情報の解説ページ」が開設された。
この注意情報が発表されるのは、北海道と東北、関東の7つの道県の182市町村となっている。
■注意情報の発表
気象庁は震源域やその周辺でM7クラスの地震が発生した場合、2時間後をめどに「北海道・三陸沖後発地震注意情報」を発表し、その後の巨大地震への注意を呼びかける。
高さ3m以上の津波や震度6弱以上の揺れなどが想定される北海道・青森県・岩手県・宮城県・福島県・茨城県・千葉県の、太平洋側を中心とした182市町村が対象となる。
情報の発表は、2年に1回程度となる見込みとしている。
■過去の対象となる地震は?
この注意情報は、基本的には東日本の主に太平洋側でM7.0以上の地震が発生した際に発表されるという。
1919/01/01以降に国内でM8.0以上の地震は11回発生していて、うち5回が発表の対象のエリアで起きた地震だった。
その5回のうち、M7.0以上の地震が先行して起きたケースはあったかというと、以下の通り。
・なし
1933/03/03 02:30:三陸沖、M8.1、最大震度5、0km
・なし
1952/03/04 10:22:十勝沖、M8.2、最大震度5、54km
・なし
1994/10/04 22:22:北海道東方沖、M8.2、最大震度6、28km
・なし
2003/09/26 04:50:十勝沖、M8.0、最大震度6弱、45km
・2011/03/09 11:45:三陸沖、M7.3、最大震度5弱、8km
2011/03/11 14:46:三陸沖、M9.0、最大震度7、24km
つまり、東北地方太平洋沖地震の時だけ、2日前にM7.3の地震が起きていた。
このように、確率的には低いが、東日本大震災のように多くの犠牲者が出るような巨大地震・津波の被害を最小に抑えようという意図があるのだろう。
■実際の行動
では、このような注意情報が発表された際に、どのような行動を取れば良いのか。
それについて、政府はガイドラインで住民や企業などがとるべき行動や対応の具体例を示している。
それによると、原則として事前の避難は必要ないが、発表から1週間程度は、津波が想定されるなど迅速な避難が必要な場合にはすぐに行動できるよう備えておくことが求められる。
具体的な行動としては、以下のようなことがある。
・眠る時はすぐ逃げられる服装のままで、子どもや高齢者と同じ部屋に集まる。
・枕元には非常用持ち出し袋や靴、冬には防寒着などを置いておく。