一昨日12/15に講談社の週刊誌『FRIDAY』Web版で、来年1月末~2月に南海トラフ巨大地震の発生に要注意という記事が掲載されたが、ここに登場する専門家の言うとおりに2023年1月末~2月に南海トラフ巨大地震が発生する可能性があるかどうかを検討してみる。
■『FRIDAY』
12/15に講談社サイトで掲載された記事は、『「来年1月末〜2月が要注意」と…スーパー南海地震で四国・中部の「直接地域」に死者32万人の危機』と題したもの。
この記事では、まず災害予測が専門で立命館大学環太平洋文明研究センター特任教授の高橋学氏の説が紹介されている。
曰く、過去にあまり地震が起きていない震源域で不気味な揺れを観測しているという。
・2022/11/20 17:34:和歌山県南部、M3.9、最大震度1、深さ53km
・2022/11/22 07:23:静岡県西部、M2.6、最大震度1、深さ28km
なお規模などのデータは、気象庁の「震度データベース検索」に取り込まれた際に修正されて変更になっている部分がある。
これらの地震は、フィリピン海プレートの境界付近で起きた震源が浅い地震であることを問題にしているようだ。
また、高橋氏は千葉県北西部や房総半島南部でもM4程度の地震が続発しているとして、注視している。
そして、一般に巨大地震発生までのプロセスは以下のようなものがあるという。
1 予兆となる地震(前震)が起きる。
2 約60〜70日間の静穏期。
3 前震と同じ場所で小規模地震。
4 約半日から3日後に巨大地震発生。
そして、こう語る。
「つまり、'23年1月末から2月にかけ注意が必要です。阪神・淡路大震災も同じパターンで起きましたが、M8.5以上の巨大地震になる可能性があります」
自説に当てはめて考えると、指定された期間では南海トラフ巨大地震は発生しないだろうと考える。
一つには、黒潮大蛇行が発生中は南海トラフ巨大地震が発生する可能性は非常に低いことがある。
では、現在発生中の黒潮大蛇行は指定された2月までに終息する可能性はあるだろうか。
たしかに、過去に南海トラフ巨大地震は12月に最も多く発生していた。
そして、すべての地震は7月~2月に発生していたという、他の地域の巨大地震では見られない偏りがある。
私が常に参照しているJAMSTECの『黒潮親潮』サイトの最新の「2023年2月16日までの黒潮「長期」予測(2022年12月14日発表)」を見てみる。
すると、2月中旬までは「黒潮大蛇行は継続すると予測しています」とある。
5年半も続いている黒潮大蛇行は、今すぐに終息するという兆候は全く見られないのだ。
また、現時点では南海トラフ巨大地震が発生する前兆とされる現象も全く観測されていないことも理由としてある。
地震という自然災害に「絶対」ということはないにしても、1月末~2月に東海・東南海・南海地震が起きる可能性は非常に低いということになる。
※愛用しているサーモスの携帯マグと同型のものをもう1つ買った。
災害発生時には、被災地で暖かい飲み物を1日も保温できるものは贅沢品となることだろう。