昨夜から始まったNHKスペシャル『超・進化論(1)』「植物からのメッセージ~地球を彩どる驚異の世界~」は、驚くべき内容で、植物は動物と同じように「感じる」能力があるだけでなく、他の生き物に「メッセージ」を送ったりすることも最新の科学でわかってきた。
植物の地震前兆現象についても、この新たな発見によって説明できるようになるかもしれない。
■植物の驚くべき感受性
昨夜2022/11/06 21:00から始まったNHKスペシャル『超・進化論(1)』「植物からのメッセージ~地球を彩どる驚異の世界~」を、ブログ執筆しながら何気に見ていたら、すごい内容だったので手を止めて見続けた。
それは、4回にわたって放映される『超・進化論』シリーズの第1弾として、植物がもつ驚くべき能力を紹介するもの。
番組の冒頭で、埼玉大学・植物生理学の豊田正嗣(まさつぐ)教授が、こう語る。
「植物というのは、触っても何も反応しないですし、何も感じていない鈍感な生き物だと感じられるかもしれないんですけれども、実はまったくそうではなくて、植物は動物と変わらないぐらいすごく敏感かつ感度良く、さまざまなことを感じているということが明らかになってきました」
このことだけでも、われわれは植物に対する見方を完全に改めなければならないだろう。
■植物は寡黙ではない
以下は、番組で紹介された植物の知られざる能力の一部。
虫が葉を食べると、葉が光り始めて全身に信号を伝達する。
送られた先の葉では、虫が食べると腹をこわすような毒物質を生成して虫に食べられないように反撃する。
植物は離れた植物とコミュニケーションを取る。
東フィンランド大学で化学生態学を研究するジェームス・ブランド氏は、植物の驚くべき生態を発見した。
一部の木が虫や動物に食べられた時に、その周辺の木々は、あまり食べられなくなる。
食べられた木では、毒の物質を作り出す。
すると、離れた木の虫がいない木でも、同様に毒物質を作り出す防御反応が起こる。
調べたところ、虫に食べられた木から10種類以上の物質が放出されていた。つまり、食べられた木が防御の遺伝子が働き出し、離れたところの木へ「食べられた」というメッセージ(物質)を伝えるという。
そうすると、周りの植物は敵が来る前に防御することができる。
「植物は物言わぬ寡黙な生き物ではない」
番組は、そう主張する。
■植物が他の生物にメッセージ
次に、植物が他の生き物にも「メッセージ」を送っているということもわかってきた。
たとえばニラの木は、羽虫が葉の上に卵を産むと、「ハムシが卵を産んだ」というメッセージを放出して、ハムシの天敵であるハチを呼び寄せる。
「ハチさん助けてー。ハムシに食べられちゃうよ!」ということで、ハチに助けを求めるというのだ。
同様に、アカマツはマツハバチの幼虫に葉を食べられると、その旨のメッセージを発して、シジュウカラを呼び寄せる。
われわれ人類は今まで、植物などの他の生物の生活を、あまりにも知らなさ過ぎた。
ひと昔前ならば、「植物同士がコミュニケーションを取っている」などと言ったら、科学者から頭がおかしいのではないかと思われただろう。
だが実際は、人間が知らないところで膨大なコミュニケーションが存在しているのだ。
■自分の経験から
私は昨年からオジギソウを育て始めたが、どこかで読んだのは、オジギソウの葉に触れると閉じることを面白がって繰り返すと、オジギソウが開花しなくなるということだ。
今までは「本当かな?」と思っていたが、この番組を見て、そういうこともあるかもしれないと考え始めた。
私が昨年から研究し始めた「植物の地震予知」の分野に関しても、何かしら人間が知らないところでオジギソウ同士がコミュニケーションし合って、地震に備えるということがあるのだろうか。
また、植物は「触れられた」というメッセージも送出するという。
それを考えると、植物を愛し育てている人たちは、慈しむあまりにあまり触れない方が、大切な植物にストレスを与えないためにも良いことかもしれない。
われわれは、これまでの植物に対して抱いていた考え方を、大きく変えるべき時に来ているようだ。
昨夜の番組の紹介ページが、NHKのサイトにある。
また、番組の要約的な動画が、YouTubeで配信されている。
※「植物は人間の心を読み取る」という古典的な本。