一昨日の犬の飼い主向け情報サイト『わんちゃんホンポ』の記事で、「予知してる?犬が地震の前に見せる『異常行動』3選」というのが目についたので、この内容を参照してイヌの地震前兆行動を振り返ってみたい。
■わんちゃんホンポ
11/5に掲載されたのは、「予知してる?犬が地震の前に見せる『異常行動』3選」と題した記事。
この記事で、地震の前にイヌが見せる行動の「3選」とあるのは、以下の通り。
1.そわそわして落ち着かなくなる
2.悲しそうな声で鳴く
3.飼い主をどこかに連れて行こうとする
私は以前にnoteの『地震前兆百科』というマガジンで犬の項を書いたが、そこでは【イヌの異常行動 危険度ランキング(高いほど大地震の可能性大)】というのをまとめて載せていた。
このnoteに関しては、あとで紹介するが、同様の項目を含んでいる。
この私の有料noteをわざわざ買ってパクったとは思えないが、関連する参考文献かサイトを参照したのかもしれない。
以下に、この3つの項目を検討してみる。
■そわそわして落ち着かない
特に室内飼いのイヌでは、ネコでも同様だが、地震前兆を捉えて落ち着かなくなり、外に出られれば走り回りたいのだろうが、屋内ではそうは行かない。
ネコでは室内を走り回るケースが多いが、イヌではそれほど広くない空間では、そうも行かない。
このような事例では、中国・海原地震(1920、M8.4)、四川大地震(1933、M7.5)、海城地震(1975、M7.0)、イタリア・フリウリ地震(1976、M6.5)などがある。
恐らく日本では、屋内飼いや外でも鎖につながれていて、海外のように思うように走れないのかもしれない。
■悲しそうな声で鳴く
イヌが悲しげに鳴くのは、地震の前以外にはどういう時にあるかわからないが、これも多い。
ワンワンと強い声でやみくもに吠えるのではなく、キューン、クーンと悲しげに鳴くとあるが、たしかにそういう例も見られる。
その例としては、安政江戸地震(1855、M7.0)、チリ地震(1960、M9.5)、中国・海城地震(1975、M7.0)、唐山地震(1976、M7.5)、阪神・淡路大震災(1975、M7.3)などがある。
■飼い主を連れ出そうとする
これよりも多いのは、自分を外に出してくれと激しく吠えるようなケースだ。
たとえば海外の地震で見られるが、寝ている飼い主を起こしてまで外に連れ出そうという例もみられる。
地震の例としては、ウズベキスタン・タシュケント地震(1966、M7.3)、阪神・淡路大震災(1975、M7.3)がある。
■イヌの異常行動を知ること
イヌがなぜ地震の前にこのような異常行動を示すのかというと、様々な説があるが、たとえば地震の前に増大する大気ラドン濃度を検知するとは考えにくい。
なぜならば、イヌがどんなに嗅覚が鋭くても、ラドンガスは無臭の気体だからだ。
それよりは、地中で発生するパルス電磁波に感応するケースが非常に多いのだろう。
イヌだけでなく、地震の前に異常行動を示す動物はすべて同じだが、自分が飼うペットが大地震の前にどのような行動を示すのかを知っておくことは、(それを受け入れるならば)防災上で非常に役立つだろう。
■note『地震前兆百科』
私はnoteで、『地震前兆百科』というマガジンを掲載している。
この中で、様々な地震前兆現象を紹介していて、現時点で20本弱の記事がある。
私は地震前兆研究家として長年研究を続けているが、特に動物の異常行動に関する前兆現象には力を入れている。
『地震前兆百科』では、2020年5月に「陸上の動物:イヌ・オオカミ」の項を掲載して、イヌが大地震の前に見せた様々な異常行動を紹介している。
また、他の『地震前兆百科』のノート記事も読みたい場合は、マガジン全体の購入もできる。
この方が個別に購入するよりも全体の価格は安くなる。
※地震前兆現象を研究するには、この本に目を通さなければ話にならないという大著。
阪神・淡路大震災の前兆証言1500件以上をまとめたもので、この大型本よりも小型の普及版の方がなぜか古書が安い。