この記事は6年前の2016/11/21の記事の再掲で、当時は「11月23日の『魔の水曜日』に巨大地震が起きる」という噂がネット上で広まって騒然となったが、その年に起きるか起きないかは私は事前にわかっていて、この記事でその根拠を示していた。
今年もその予言が再燃していて、11/16のJ氏の予言(予測通り外れた)と共にネット上で大きな話題となっているので、再掲して新たな解説を加えることにした。
■今年も噂が
6年前の2016/11/21に書いた『【予言】11月23日の「魔の水曜日」に大地震が起きる?→「大丈夫起きません」と言えるこれだけの理由』と題した記事。
そして、6年経った今年もまた蒸し返されてきた。
理由はもちろん、今年もまた「魔の水曜日」に相当する水曜日の祝日が巡ってくるからだ。
では、今年は予言された巨大地震が起きる可能性があるかどうかを検討してみたい。
■「魔の水曜日」
※ここから再掲部分
このところ、「地震 予言」などでググっていると、「魔の水曜日」の話題を多く見るようになった。
水曜日が祝日になる度に、この話題が蒸し返される。
そして直近では明後日の11月23日がその日にあたるということで、ネット中で大騒ぎになっている。
もちろん、これは松原照子さんの30年前の著者「宇宙からの大予言」が元になっているものだ。
【注】『宇宙からの大予言―迫り来る今世紀最大の恐怖にそなえよ』(松原照子、現代書林、1986/12/01)は、既に絶版で、古書もAmazonで好事家しか手を出さないような価格に高騰している。
私が9年前に古書を購入した時にも同様の価格で、泣きそうになりながら購入した。
だが、今ネット上で流布している噂は正しい情報の認識によるものではないので、誰かがそれを正さなければならないだろう。
というわけで、毎回のことだが、私がそれをやることにしたい。
■魔の水曜日の予言について本人に聞いてみた
実は、この予言を最初にネット上に広めたのは私で、たしか2013年5月5日の『ハビズム』の記事だったように思う。
あの頃は、それがまだ現実になる可能性があるということで、このような記事を書いた。
だが、その後に状況は変わってきた。
第9回特別講演会in東京DVDに、松原照子さんと私の対談が収録されている。
このDVDは、まだAmazonなどで入手可能だ。
そこで私は、「魔の水曜日」の予言がまだ起きる可能性があるのかという質問を、直球勝負で松原さんに投げかけた。
すると松原さんは、「今でもあり得るとは思い込んでいます」と語った。
ただし、それは直近の水曜日が祝日になる日に起こるという意味ではないだろう。
「いつかわからないけれど、未来のいつか」だと解釈している。
また松原さんは、『日本沈没』の小松左京氏と面識があって、例の「魔の水曜日」の日本列島が糸魚川-静岡構造線で分断されるという世見も、小松氏の小説に影響された部分もあるかもしれないと語った。
それより前の講演会では、松原さんは「われわれの目の黒いうちは起きないだろう」と語っている。
これらを総合して判断すると、何十年後かわからないけれど、松原さんや我々が最早この世に生きていない頃になるのかもしれない。
■「魔の水曜日」は来ない
個人的には、たとえ松原さんがどう言おうと、(直近では)起きないだろうと思う。
その決定的な理由としては、「予兆」がまだ起きていないということ。
前述の本に書かれた魔の水曜日の予兆。
それは、以下の通りだ。
◎伊豆の山やまが紅葉しない。
→今、伊豆では、メッチャ紅葉してまっせ。
【注】では、今年2022年はどうかというと…。
メッチャ紅葉してるやん。↓
※静岡県・伊豆半島の天城山で。
◎貝の移動(アサリの漁場でアサリが穫れなくなるなど)
→アサリの不漁。
愛知県西部の知多半島では、近年不漁が続いている。
正に東海地震(南海トラフ地震)が起きたら多大な被害が予想される地域だ。
だが、アサリ不漁はメタガイによる食害のせいだと原因がわかっている。
【注】では、2022年時点ではどうかというと、近年アサリの不漁が全国的に続いているという。
◎富士五湖周辺の二つの湖の水位が下がる
→現在は、特にこのような事象は見られない。
【注】2022年現在の富士五湖の水位は正常で、異常の報告は無い。
◎その他の南海トラフ地震の前兆現象
他に、中村不二夫氏が著書「南海地震は予知できる」で調査した前兆現象がある。
昭和南海地震(196/12/21)の時のものになるが、東南海・東海でも共通して発生する事象もあるかもしれない。
それらは、下記の5つだ。
◎異常干潮:
地震前日の夕方5時頃から大きく潮が引いていた。
◎井戸水が枯れた:
高知市の民家では、2~3日前から釣瓶で汲めないくらいに井戸が枯れた。
◎海水汚濁:
高知県宇佐町沖合いでは操業していたサバ漁船が、船の流れを安定させるための漁具に、ドロドロしたヘドロのような汚物が付着し、海藻が腐ったような異臭がした。
◎地震前の暖気:
地震の数日前から、12月にしては異常に暑かった。
◎スルメイカの大漁:
その年はスルメイカがよく獲れた。
これらの現象も現時点で見られないということは、11月23日も含めて今すぐに南海トラフ地震のいずれかが起こる可能性は、限りなく低いように思えてくる。
※この本の詳細は下記の記事で書いている。
■「魔の水曜日」は起きない
というわけで、結論を言ってしまうと、11月23日に大地震は起こらないだろうということになる。
私は地震前兆研究家と名乗っているが、自分の経験からしても、数日のうちにM8規模以上の南海トラフ地震が起きる兆しは、ほぼ無いと言える。
【注】書くまでもなく、2022年11月23日も同じ結論となる。
それから、何度も書いているが、人類の歴史上で、いまだかつて何月何日に大地震が起きるという、日単位でピンポイントの予言が現実になったためしは無い。
過去にハビズムやTOCANAで取り上げた時には、ここに書いたことと矛盾するような記述もあるが、当時はそこまで判断するための知識や経験が不足していた。
その点は、今後の反省としたい。
※再掲部分ここまで
■なぜ今年の予言?
しかし、現時点で南海トラフや他の国内の震源域で巨大地震が起こると言っているのは、素人さん丸出しだ。
本当の素人さんにしても、ある予言があったとして、現実となる可能性があるかどうかを、それなりに検討してからブログなりSNSで取り上げるべきだろう。
つまり、それなりの「見識」を持つことが重要ということだ。
ただし、11月23日は新月の前日であり、一般論としてはそれなりに大きめの地震が起きる可能性はある。
ちなみに、南海トラフ巨大地震に関しては、先日発行したAmazon Kindle書籍『南海トラフ巨大地震はいつ起きるか?』で、長年の自分の研究内容に基づく予測を洗いざらい書いている。