昨日発生した三重県南東沖M6.1の深発地震は、南海トラフ巨大地震のうちの東南海地震の震源域で起きたことで、巨大地震の発生の前触れではないかなどと懸念されているが、実際はどうなのかということを、これまでの自身の研究成果をもとに考えてみたい。
また11/16に南海トラフ巨大地震が起きるという予言があるようだが、自分の見解を書いておく。
■黒潮大蛇行と地震
まず、これから話題にする昨日11/14の三重県南東沖、M6.1、最大震度4の地震については、昨日の記事で前兆現象については大体書いたが、強烈頭痛でダウンしていたために宿題として残っていたことがあった。
その一つが、南海トラフ巨大地震との関係。
まず、昨日の三重県南東沖地震は南海トラフ巨大地震(東南海地震)の想定震源域ということで、自説では黒潮大蛇行が重要な要素となってくる。
現在は2018年8月に発生した黒潮大蛇行が継続していて、自説では南海トラフ巨大地震が発生する可能性は非常に低い。
では、なぜこの大蛇行の渦の内側でM6.0の地震が起きたのか?
それは、過去の地震データを解析してわかったのだが、黒潮大蛇行期に規模が大きな地震が起きても、そのほとんどは深さ250km以上の深発地震であり、前述のように南海トラフ巨大地震とは性質が異なるのだ。
このあたりのことは、Amazon Kindle書籍として発行している『大地震は海洋現象で予測できる』シリーズ第3弾の『南海トラフ巨大地震はいつ起きるか?』で詳細に解説している。
ちなみに、これらのAmazonで発行している書籍はKindleの電子書籍だけで販売している。
ペーパーバックとしてはページ数が薄すぎるためもある。
このシリーズが完結したら、まとめてペーパーバックの出版を検討したい。
■南海トラフの深発地震
この10年間で、南海トラフ巨大地震の震源域でM5.0以上かつ深さ300km以上の地震は、9回起きていた。
それらの規模はM5.1~M6.6だった。
最大のM6.6でも、深発地震のため被害はなかっただろう。
また、M5.0以上かつ300km未満の地震は、過去10年間で4回だけだった。
規模はM5.0~M5.4で、大地震とまでは行かないものだった。
以上のことは自説とは矛盾せず、つまりは大蛇行が大地震の発生を「抑制」している結果だと考える。
三重県南東沖は南海トラフ巨大地震(東南海地震)の予想震源域ではあるが、もっと浅く、過去の地震でわかっているのは深さが20~40kmとなっている。
では、昨日の深発地震が今後の南海トラフ巨大地震の予兆的な地震である可能性はあるだろうか。
過去約100年間で深さ250km以上の地震は48回起きていて、約2年に一度の頻度で起きていたことになる。
だが、三重県南東沖で起きた昭和東南海地震の前の1年間では、三重県南東沖でM5.0とM6.1の地震が2回起きていて、偶然による確率の4倍だった。
この2回が巨大地震と同じ震源域で「たまたま」起きていたのではないとすれば、何らかの予兆的な地震だったのかもしれない。
昨日の三重県南東沖の地震発生後、地震学者方がテレビニュースなどのコメントで判を押したように「深発地震なので南海トラフ巨大地震とは関連性がない」と答えていたが、多くの視聴者は「それ以上」の答えを期待していたのではないか。
■黒潮大蛇行の予測
黒潮大蛇行のことを書いたので、今後の大蛇行の最新予測について紹介しておく。
JAMSTECの『黒潮親潮ウォッチ』の11/11発表の『2023年1月11日までの黒潮「長期」予測』によると、「黒潮大蛇行は継続すると予測しています」とある。
つまり、大蛇行が終息する予兆はなく、来年1月まで継続する可能性が高いということだ。
この1/11の予測図を見ると、渦がずいぶん南へ長く伸びている。
そのため、自説では南海トラフ巨大地震は、来年1月までは発生の可能性が非常に低いことになる。
だが、昭和東南海地震の前のように、このような深発地震が続くようであれば、黒潮大蛇行が終息した後で巨大地震が迫っている可能性を考えるべきだろう。
一昨日からの強烈頭痛でダウンは今朝以降も続いていて、夕方に風呂に入ってやっとPCの前に座ることができた。
だが、まだ収まらないので、夕食後に頭痛薬を飲んで様子見としたい。
収まった場合は、昨日の三重県南東沖の前兆や今後の地震予測などについて書いていきたい。
■11/16に南海トラフ地震?
某所で、明日11/16に南海トラフ巨大地震が起きるという予言があるようだ。
どうも、あのJ氏の予言らしいが、それを知って探求心が失せた。
それ以上は書かないが、行間を察していただきたい。
現実レベルでも、明日南海トラフで巨大地震が起きるような兆候は、一切ないので、ご安心を。
ただし、一つ前の記事で書いたように、11/16は要注意な天体配置となるため、それなりの地震は世界のどこかで起きるかもしれない。
昨日の三重県南東沖地震の前兆や予測など、まだ書き残している部分があるが、まだ頭痛が収まらないので、明日書くことにする。
※「防災用備蓄」というと「備蓄食」という人ばかりだが、正しいだろうか?
防災の専門家は、そうは言わない。