今日10/2未明に発生した大隅半島東方沖でM5.8、最大震度5弱の地震の震源を見ていて、そういえば過去に台風がこのあたりで怪しい進路を取ったことがあったと思い出した。
そこで、自説である、台風が将来の地震の震源を「迂回」する現象が起きていたかどうかを検討する。
■はじめて気づいた頃
まず前提として書いておくと、自説である台風の進路と地震発生の関連性については、現在の科学の世界では否定されることだ。
それでも私が長年研究しているのは、そのような仮説を設定しないとうまく説明できないようなケースが多いためだ。
私がこのことに初めて気づいたのは、2014年の台風18号発生時だった。
2014/10/06 14:04UTCにサイパン島東沖でM5.9の地震が発生した。
その1週間ほど前に、震源付近を台風18号が通過していった。
下記のGoogleEarthマップで、その時の台風の進路と地震の震源を示す。
■大隅半島東方沖M5.8
そして、今日の大隅半島東方沖のM5.8の地震。
私はデスクトップ用GoogleEarthに、台風の進路データを追加している。
今日の震源付近を通過した今年の台風は、下記の図の通り。
まず、今日の震源のいちばん近くを通過した台風として、今年の14号がある。
この進路を見ると、九州の南方から北上してきて、九州では大きな進路変更はなく、9/18にはむしろ震源に近づくようにして、その後に北へ直進し、九州北部で東へ進路を変えて進んだ。
この場合は、過去の経験から、どうも違うのではないかと思う。
次に、台風5号は9月下旬に南方から北西に進み、7/29 18時頃に鹿児島県の南沖で若干進路を西へと変えて、今日の震源を迂回するかのように進み、7/30には迂回した分を戻すように進んだ。
これは、ありそうかもしれない。
次に、その一つ前の台風4号は、九州の南西から北東へ進み、7/4から南九州を迂回するかのように進んで、翌日に九州北部でまた東へと向かった。
この台風4号と5号は、震源を迂回したケースの可能性として、考えても良いかもしれない。
だが、両方とも、それほど顕著な例ではないが。
■台湾の地震の例
他に、今年の台風の迂回例としては、2022/09/18のnote定期購読マガジン『大地震・災害ウォッチマガジン』(月額有料)で詳しく書いている。
そこで紹介したケースのうち、ここでは1件だけ例を示す。
2021年の台風14号は、フィリピンから北上していき、昨年2021/09/11に台湾へまっすぐ進んでいた時に、台湾の南沖で多少進路を変えて、台湾島を迂回するように台湾の東沖を北上していった。
そして約半年後の今年2022/03/23 02:41に、台湾南部でM6.7の地震が発生した。
さらに、つい先日9/17に同じ震源域でM6.5、翌日9/18にはM6.9の地震が発生した。
これら3つの地震は、1つ目以外は1年ほど台風の通過から経過してからの地震なので、その点は可能性が低くなる部分かもしれない。
この最初の半年後の地震の場合は、今日の大隅半島東方沖よりも確度が高くなるのではないか。
今後も、同様のケースを多数収集して研究を進めることにしたい。
※今年はラニーニャ現象などがあり、被害が出るような台風にはまだ注意が必要だ。
先月の静岡県の断水のような時には、水が無くても用を足せる簡易トイレが威力を発揮する。