昨日10/16未明に埼玉県秩父地方でM4.2の地震が発生し、うちから46kmとごく近場の震源なので通常ならば大気ラドン濃度が上下するはずだが、その前に前兆らしき兆候が見られず、おかしいと考えていたが、これが深発地震だったためではないかと気が付いた。
■埼玉県秩父地方
一昨日10/16 00:25に起きた埼玉県秩父地方、M4.2、最大震度2の地震のこと。
この、小平市からごく近場が震源だった地震で、M4クラスならばうちのラドン測定器の値が大きく上下するはずで、それで地震の発生が迫っていることを知ることができる。
だが、実際はラドン濃度が通常のような変化をしていない間に地震が起きた。
下記の表のPRO4の値が前日15時に12→13に上昇した以降はずっと13を維持したまま地震が起きた。
その後05時台まで13が続き、その後も16まで上昇していった。
通常ならば、ラドン濃度がピークに達して下降を始めた時点で地震が起きるのだが、ゆるやかに上昇中に起きた地震だった。
■深発地震のせいか
なぜこれほど近場の地震でも、ラドン濃度が反応しないのだろう?
そう漠然と考えていた。
何故かと考えていて、この地震の震源の深さが130kmと深いことに気づいた。
そこで、過去にある程度の深いところで起きた地震を調べ、当時のうちの大気ラドン濃度を照合してみた。
まず、異常な事例を示す前に、正常な状態ではどうなるかを示す。
1ヶ月ほど前に起きた下記の地震の例。
行末はここ小平市からの距離。
2022/09/26 13:18:千葉県東方沖、M3.3、最大震度1、深さ30km、130km
この時、ラドン濃度が前日午後から15だったのが当日05時台に14に下がってから9時間ほども経過した午後に、小平市から130kmの距離でM3.3の地震が起きた。
■最近の深発地震
以下に、過去1年くらい前以降に関東圏で起きた深発地震と、その前後のラドン濃度の表を示す。
震源の深さとしては、今回は70km以上とした。
・2021/10/06 02:05:埼玉県南部、M3.7、最大震度2、深さ118km、31km
この時は、前日昼頃からずっと15の値が続き地震発生後も変わらなかった。
通常、小平市から31kmという近場ならば、顕著な変化が出ているはずだ。
・2021/11/20 08:57:東京都多摩東部、M4.6、最大震度3、深さ99km、4km
この多摩東部の地震の場合、これ以上近くで揺れる例はないだろうと思われる4kmという近場だった。
この時は前日昼頃から16の値が続き、当日06時に18に上昇した直後に地震が起きた。
・2022/08/10 03:14:千葉県北西部、M3.4、最大震度1、深さ71km、60km
この時は、前日夜から15の値が続いて03:14の地震の発生直後の04時台に16に上昇した。
ラドン濃度が下降なしで発震した例だ。
・2022/10/03 02:33:千葉県北西部、M3.4、最大震度1、深さ71km、62km
前夜19時台に17から15に下がり、当日01時台に16に上昇して2時間後に地震が起きた。
再上昇直後に発震した例だ。
■今回わかったこと
このように、地震の前にラドン濃度が変化したとしても、最低値まで下降して再上昇を始めてから発震したり、発震後しばらくして上下したりと、通常とは異なるパターンばかりが揃った。
これだけの例で、深発地震ではラドン濃度の変化が顕著ではないと確言するわけではない。
ある意味スッキリしたが、これはまだ仮説の提示段階で、今後も同様のデータを集めていくことにしたい。
このことが正しいとすれば、地震前兆現象が揃いつつあるのにラドン濃度が変化しないから、このあたりでは揺れないだろうと思ってはいけないこともあるということになる。
それ以前に、ネット上で自分が住んでいる地域から遠いところの測定値を見ても、自分が住む地域では異なる値かもしれない。
やはり一番良いのは、自宅にラドン測定器を設置して自分で測定することだ。
※今年3月にPRO4を購入して、本格的な大気ラドンガス測定を開始した。
かなりの出費になるが、たとえばこれに近い額の備蓄食料を揃えるならば、私ならばこちらを選ぶ。