黒潮の長期予測によると、発生中の黒潮大蛇行は冬の初め頃までは続く見込みということで、そうなると自説では南海トラフ巨大地震など黒潮域の大地震は発生が抑制されて好ましいことだが、別の大きな問題が生じる可能性もある。
■黒潮の長期予測
海洋研究開発機構(JAMSTEC)が8/10に「2022年10月11日までの黒潮「長期」予測」として黒潮の長期予測を発表した。
この冒頭では、こうある。
黒潮大蛇行が始まって5年目になり、過去最長期間になっています。蛇行は渦がちぎれやすく不安定だと予測していますが、黒潮大蛇行が終わるようなことはなさそうです。
10月上旬まで黒潮大蛇行が終わる兆候がないということは、今年いっぱいは大蛇行が続行する可能性が高くなるということだろう。
そうなると、年内に南海トラフ巨大地震が発生する可能性も、非常に低くなる。
■何が起こるか?
黒潮大蛇行が5年も長く続くと、何が起こるか?
あくまでも一つの可能性だが、地震が「起きたい起きたい」と言っている時に、それを抑制する大蛇行が長く続いたら…。
地殻の歪みが更に溜まって、その後に起きる地震の規模が大きくなる可能性を考えるべきではないか?
たとえば、1917年2月~1922年3月頃に、約6年1ヶ月間続いた例があった。
ただし、この継続期間は正式な観測によるものではないが。
その後に、このような地震が起きた。
【大蛇行】1917年2月~1922年3月頃(約5年1カ月間)
---【大蛇行】---
1922/04/26:神奈川県東部地震(浦賀水道付近)、M6.8
1923/06/02:茨城県沖、M7.1、最大震度4
1923/09/01 11:58:関東地震(関東大震災)、M7.9、犠牲者・行方不明者10万5,385人
神奈川県東部地震以降は、1年以上空いているものの、黒潮の非大蛇行期に起きたことは確かだ。
■神奈川県東部の地震
では、この神奈川県東部地震に着目して、他の時期に同震源域で起きた地震を検索してみた。
だが、M6クラスはこの102年間で2回だけなため、M5.5以上として、また近隣の東京湾の震源まで検索してみた。
すると6回起きていて、それぞれ黒潮大蛇行の発生時期を並べると、以下のようになる。
【大蛇行】1917年2月~1922年3月頃(約5年1カ月間)
---【大蛇行】---
1922/04/26 10:11:神奈川県東部、M6.8、最大震度5
1923/09/01 13:58:神奈川県東部、M5.5、最大震度2
1923/09/01 15:04:神奈川県東部、M5.5、最大震度3
1923/11/23 11:33:神奈川県東部、M6.3、最大震度4
【大蛇行】1934年3月1日~1944年前半(or ~1943年or1946年説あり)(約11年間)
---【大蛇行】---
1946/01/30 03:49:東京湾、M5.5、最大震度3
【大蛇行】1989年12月~1990年12月(1年1カ月)
---【大蛇行】---
1992/02/02 04:04:東京湾、M5.7、最大震度5
つまり、6回の地震とも、見事に黒潮大蛇行の期間を避けるように、終了後に起きていた。
■大蛇行が終わると…
つまり、この記事では何を言いたかったかというと、黒潮大蛇行の発生中は、南海トラフ巨大地震だけに限らず、関東の沖あいあたりでも大地震が抑制されるといいうこと。
逆にいうと、黒潮大蛇行が来年あたり終息すると、「いよいよか…」ということになる。
内陸が震源の場合は、まだはっきりとは言えないものの、海溝型地震の場合は、これまでの研究から、このような傾向はかなりありそうだということになる。
※大地震発生でガラス破片などが散乱する室内でも歩けるスリッパ。
こういうものがなぜ今まで無かった?