今日8/28 15時に、南鳥島近海で発達中の熱帯低気圧が台風11号(ヒンナムノー)になり、九州方面へ進んでいる。
昨年の怪しい進路を取った台風がその後に起きた地震の震源を迂回したかもしれないケースがいくつかあり、それを紹介する。
■台風11号
台風11号は、南鳥島近海を北西へと進んでいて、現在の予想進路では九州に向かっているが、今週なかば頃に本州付近で前線の活動を活発化させて、大雨をもたらす恐れがある。
ただし、勢力はそれほど強くなく、九州に到達する前に熱帯低気圧に変わる予測となっている。
たとえ予測通りとなっても、途中で変な進路を取った場合は、その後に大きな地震が起きる可能性がある。
■昨年の台風の進路
下記のGoogle Earthのマップは、昨年の台風の進路のデータを取り込んでいる。
そして、ピンマークで示しているのはその後に起きたM6.0以上の地震の震源を示している。
この3つのラベルの部分を、右端から順に説明していく。
まず、2021年台風14号が西日本に上陸してから東へ進み、9/19 9時に急に進路を南へ変えた。
そして、8ヶ月後の2022/05/23に八丈島東方沖でM6.1、最大震度1の地震が起きた。
震源を避けて南に進んだかのように見える。
その南あたりの2021年台風10号は、8/07 18時に進路を東へ変えて北上した。
その約1ヶ月後の2021/09/14に北方の東海道南方沖でM6.0、最大震度3の地震が起きた。
次の九州南方の2021年台風10号は、2021/08/07 18時に進路を北西に変えて進んで行ったが、その4ヵ月後の2021/12/09にトカラ列島近海でM6.1、最大震度5強の地震が起きた。
この3つのケースはいずれも、直進していたらその後に起きる地震の震源の真上あたりを通過していただろう。
このような現象が実際にあるとして、考えられる説明原理としては、一つには震源付近で「気圧」の異常が発生していて、それが台風の進路を変更させたこと。
■福島県沖地震
もう一つ、以前にも紹介したが、顕著な事例を示す。
昨年の台風8号が東日本の東方から西へ進み、北上して2021/7/27 18時に若干進路を北東に変更して進んで行った。
そして翌朝6時には、迂回した地点から進路を戻すようにして、東北に上陸してから北へと進んで行った。
それから8ヶ月後の2022/03/16に、M7.4、最大震度6強の福島県沖地震が発生した。
更に2ヶ月後の2021/05/22には茨城県沖でM6.0、最大震度5弱の地震が起きた。
台風8号は、この2つの地震をまるで「迂回」するかのように避けて通って行ったように見える。
私は昨年7/28、台風8号がおかしな進路を取った翌日に、これはアヤシイと感じて、ブログ記事で「台風8号の進路から地震が気になるところ~東日本で地震に注意か」と題して指摘しておいた。
その記事で下記のマップを付したが、ピンクで2つの円を描いた地点で、ここで地震が起きるかもしれないと予測していたが、その通りとなった。
この時は、その直後に起きた福島県沖M4.0が対応する地震だったのかもしれないと書いていたが、そうではなかったのだろうか。
台風の進路の解析は一筋縄では行かず、基本的に高気圧の谷間に沿って進むが、様々な要因から微妙に進路を変える。
今後も気象学を勉強するなどして、地震予知の精度を高めていきたい。
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私が「地震前兆研究家の百瀬直也さん」として実名で登場して解説しています。
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