7月上旬にチリでリュウグウノツカイが捕獲され、同国では大地震の前兆かと大騒ぎになったが、その後に対応する地震が起きたか、まだ起きていないか、または前兆現象ではないかなどを検討してみた。
■リュウグウノツカイ
2022/07/04に、チリの町で、体長5mほどのリュウグウノツカイが捕獲された。
場所は、Arica City。
アリカ市は、チリ最北部、ペルーとの国境に近いアリカ・イ・パリナコータ州の港湾都市。
下記のYouTube動画で、その姿を見ることができる。
■対応する地震は?
現地のニュースでは、日本では2011年Tohoku Earthquakeの前に多く見つかっていたと報道されている。
「聞いてないよー」
少なくとも私は、そのケースを全く知らない。
ラブカなどの深海魚と混同しているのか、または別の大地震の前のことだったのか。
では、7/4の後にチリの付近で大きな地震はあっただろうか。
昨日の記事で書いた、2022/07/16 04:37JSTに起きたチリ南部西沖のM6.4の地震がある。
だが、リュウグウノツカイが出現した地点から震源までは、3000kmほどもある。
大雑把にいって、北海道から台湾くらいまでの距離がある。
私のこれまでの研究からは、両者の関連性は無さそうだ。
■他の地震の可能性
では、別の視点から、「他の地震」の前兆である可能性はないだろうか?
その前に、下記の地震が起きていた。
2022/07/14 01:05JST:ペルーCocachacra北北東32km、M5.1
震源は、ペルー南部のチリとの国境近くのコカチャクラという地区。
リュウグウノツカイ出現のアリカから震源までの距離は約150km。
この場合ならば、M5.1という規模も考えて、地震前兆現象である可能性は検討に値するだろう。
これが例えば関東で例えれば、房総半島南端の千葉県館山市から150kmというと、三宅島と八丈島の間あたりまでの距離と等しい。
■過去の出現→地震事例
私がこれまで収集した数多い出現事例のうち、その後に実際に地震が起きた例を示す。
それでも多いので、抽出条件として、M4.0~M5.1、距離が150km以下とした。
すると、13件あった。
例の、某大学の「リュウグウノツカイと地震の関係は迷信だ」と決めつけた調査結果は、まず調査対象の前提条件に異論がある。
規模が大きい「大地震」だけを対象にしたものだという点で。
だが、私の研究では、たとえM4クラスの地震でも、震源から出現地点までの距離が近く、また地震発生までの遅延が短い場合は、地震前兆としてあり得ると考えている。
このように地震の規模も絞り込んでいるのは、この程度の規模の地震でも距離がそう遠くなければ、地震前兆だった可能性があることを示したいためだ。
■「大地震」の例
では、より大規模な地震の前にリュウグウノツカイが現れた例はあるか?
以下に、M6.0以上の地震の前兆だった可能性がある事例を抽出してみた。
このような大地震となると、日本だけでなく海外の事例も増えてくる。
もっとも、このリュウグウノツカイ出現と地震発生との対応は過去の経験から類推した部分があり、異論があるかもしれないが。
地震の規模が大きくなるほど、どのくらいの距離までを許容すべきかなど、判断が難しい部分が出てくる。
私のこれまでの研究では、魚類の種類としては「地震魚」と呼ばれるリュウグウノツカイよりも、深海ザメのたぐいの方が「地震予知能力」が高いと考えている。
その理由としては、サメ類には「ロレンチーニ器官」と呼ばれる感覚器官があり、微弱な電流を感知する感覚によって大地震の前に海中を流れる微弱な電流をキャッチして異常行動を起こすためではないかと考えている。
※ラドン測定器などを1階に設置して観測するためにネットワークカメラを買ったが、果たしてうまくいくかどうか。