JAMSTECサイトのコラムで、南海トラフ巨大地震と西南日本の内陸地震の関係について解説されていて、過去の地震データを解析したところ、この説の通りであり、現在は南海トラフ巨大地震が直前に迫っているといえるかもしれない。
■石川県能登地方
JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)が主催するサイト『JAMSTEC BASE』より。
2022/07/07の「研究者コラム」に「能登地方および京都府南部の地震活動を受けて-南海トラフ地震と西南日本活動期の関係」と題した記事がある。
ここでは、6/19の石川県能登地方のM5.4、最大震度6弱の地震について考察している。
まず、近畿地方における内陸地震は南海トラフの巨大地震の50年前〜10年後に頻発すること(いわゆる西南日本活動期)が知られているとある。
現在、昭和の巨大地震の発生から70年以上が経過し、西南日本が地震の活動期に入っていると考えられるので、内陸地震の発生にも備えておく必要があるという。
そして、西南日本が地震の活動期に入った後で起きた地震として、兵庫県南部地震(1995/01/17、M7.3、最大震度7、犠牲者・不明者6,437人)を挙げている。
■前兆としての内陸地震
内陸地震は、南海トラフ地震との関係に応じて、3つの活動タイプに分けられる。
その一つが、下記のもの。
(ii) 巨大地震直後には静穏化し、その後固着の進行に伴って徐々に活発化するもの
これは、定常的な地殻変動の進行とともに徐々に応力が回復し、応力が断層強度に近づくと、地震活動が活発化するものと考えられるという。
例として、1927年北丹後地震(1927/03/07、M7.3、最大震度6、犠牲者2,925人)などがある。
そして、このタイプが近年の西南日本の地震活動期に関連するタイプと言えるという。
■西南日本の内陸地震
では、この筆者が問題としている西南日本の内陸地震は、実際に増えているのだろうか。
以下に、3つの時期に分けて24年間に西日本で起きたM6.5以上の地震の分布を示す。
まず、【A】として、1920/01/01~1944/11/30の昭和東南海地震の発生前の24年間。
次に【B】として、1968/01/01~1994/12/31の24年間。
そして、【C】として、兵庫県南部地震が発生した年の1995/01/01~2021/12/31の24年間。
もう、パッと見でわかった人もいるかもしれない。
昭和東南海地震の前の【A】と、【C】の現在までの24年間は、本土の西側の内陸で地震が多く起きていた。
【B】の期間は地震の数も少ないが、内陸地震よりも海溝型地震が多い。
【A】では、関東で地震が多発していたが、これはもちろん大正関東地震(1923/09/01、M7.9、震度7相当、死者・行方不明者10万5385人)とその余震だ。
これらも、南海トラフ巨大地震の一連の前兆地震だったと言えるだろう。
■黒潮大蛇行がカギ
自説では、現在長期間続いている黒潮大蛇行が終息すれば南海トラフ地震の発生の可能性が高くなる。
そして、今日検証したデータでも、その巨大地震の発生が目前に迫っていることを示していると考えられる。
特に西日本の太平洋側に住む人々は、県民気質的に呑気な人が多いようだが、覚悟を決めて防災意識を高めることが大切だろう。
※難解なことを分かりやすく解説することにかけては池上彰氏の右に出る者は少ない。