最新の『週刊実話』で、能登半島の地震は南海トラフ巨大地震が目前に迫っていることを意味するのかという記事があるが、実際に関連性があるのかということなどを検討してみたい。
■南海トラフ地震目前?
昨日『週刊実話WEB』で「『南海トラフ地震』目前!? 能登地方震度6と不気味なカツオ豊漁の“宏観異常現象”」と題した記事が掲載された。
『週刊実話』2022年7月14日号の記事の転載だ。
この記事では、6/19に発生した石川県能登地方のM4.7、最大震度5弱の地震を話題にしている。
武蔵野学院大学特任教授(地震学)の島村英紀氏は、取材に応じて、こう分析する。
「南海トラフ巨大地震の前には内陸直下型が発生することが知られています。【中略】日本のどこにマグマが上がってきても不思議ではないのです。同時に、内陸直下型の群発地震の場合、地下深くのマグマが地表近くに上昇しているケースがあります。普段、活動が見られない火山で噴火を起こすこともあるため、注意が必要です」
内陸直下型地震云々は、西日本の内陸で大き目の地震が起きた時に、この人がよく言うことだ。
■能登半島が前触れ?
実際、昭和の南海トラフ巨大地震の前には、能登半島周辺でそのような内陸の大きな地震は起きていなかった。
だが、より広く西日本の内陸で直下地震が起きていたかというと、起きていた。
下記の図は、1944/12/07の昭和東南海地震の5年前以降に西日本で起きたM6.0以上の地震の分布。
つい先日も、上記マップに書き入れたように、6/28に和歌山県南方沖でM3.3、深さ40km、最大震度1の地震が起きた。
この程度の規模では騒ぐことはないにしても、このあたりで小規模の地震が頻発するか大きめが来ると、警戒モードかもしれない。
■南海トラフは動くか?
それよりも、毎度お馴染みの、例の「自説」の件。
正確にいうと、元気象庁・岡田正実氏という先駆者による発見。
「南海トラフ巨大地震は、黒潮の「非大蛇行期」に発生する」
ちょうど昨日、22/06/29に、JAMSTEC(国立研究開発法人海洋研究開発機構)の「黒潮親潮ウォッチ」サイトで、最新の黒潮の長期予測が発表された。
要約は、以下の通り。
黒潮大蛇行が始まって約4年11か月目に入っており、過去最長期間になっています。蛇行は渦がちぎれやすく不安定だと予測していますが、以前より安定してきていると予測しています。
この「安定」時期が暫く続くようだと、また以前の担当者がコメントしたように、黒潮大蛇行は今年いっぱいくらい続く可能性が出てくるという予測も出てくるかもしれない。
もっとも、以上はあくまでも人間が過去の事例から推測したものであり、自然というのは常に人間の想定を超えて起きることもあるということは、忘れてはならないだろう。
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