今日は神奈川県など関東各地で「乳房雲」が出現したようで、雷雨にともなって見られる雲とされるが、過去データを調べてみると、その後に周辺で大きな地震が起きることもあるようで、その一例を紹介する。
※冒頭のアイキャッチ画像は過去に海外で撮られたもの。
■乳房雲
まず、基本的事項の確認を。
「乳房雲」(ちぶさぐも、にゅうぼうぐも、にゅうぼううん)は、気象用語の一つで、雲底からこぶ状の雲が垂れ下がった状態のクモを指す。
雲底付近で下降気流や渦流が発生している時に発生する雲であるとされる。
乳房雲の出現は強い下降気流の発生を示唆していて、下降気流に伴って降る大雨や雹、雷に注意が必要だとされる。
実際、今日はここ小平市でも雷雨があり、雨とともにかなり雷鳴が轟いていた。
■今日の乳房雲
以下に、今日神奈川県で乳房雲を撮影した写真をTwitterからいくつか拾って載せておく。
いずれも、関東地方で雷雨が降った後だったと思われる。
◎2022/06/12 18:27:横浜
#横浜#ヨコハマ#YOKOHAMA#雨上がり#乳房雲
— じじ (@sanpojiji) June 12, 2022
雨上がりの空に
びっしりの…これは乳房雲?
天候が不安定な時に出る雲…
合ってます? pic.twitter.com/vFLi2abBqj
◎2022/06/12 21:13:横浜?
雨上がり
— やまもと ゆか 気象予報士・防災士 (@bearmamayukatan) June 12, 2022
見上げると
雲の底がこぶこぶ#乳房雲 ☁️#mammatus pic.twitter.com/Ot2YvtGOXM
https://twitter.com/bearmamayukatan/status/1535958572886269953
■2017年:多摩エリア
以下に、乳房雲が出現した後で大きな地震が起きた例を示す。
◎2017/07/05
東京・多摩エリアで怪しげな雲が出現したという目撃報告が多数寄せられた。
・2017/07/05 時間不明:東京都日野市
→【2日後:約230km】2017/07/07 20:23:千葉県東方沖、M6.0、最大震度5弱
■2020年:関東東部
◎2020/05/31
東京など関東東部で出現
・2020/05/31 16:30
埼玉県川口市
今日調べてみた限りでは、その多くの場合で、乳房雲が出現してから1~2日後に周辺でM4~M7クラスの地震が起きることが多いようだ。
■地震雲に自信は?
これらすべての調査結果は、データとともに後日noteの定期購読マガジン『大地震・災害前兆ウォッチマガジン』で紹介することにしたい。
いわゆる「地震雲」という分野は、様々な地震前兆現象のうちで特に叩かれやすい。
否定する人々の言説には、一部は納得できる部分もある。
それでも、このような現象を調査しようというのは、たとえ低くても可能性があると考えているからでもあり、また否定派の意見の全てを納得していないという表れでもある。
短時間だが私の調査から見えてきたことが妥当ならば、明後日あたりまで南関東で地震に注意が必要だ。
ちょうど6/14は満月・スーパームーンとなるので、猶更だ。
■偉大な生物学者の遺作
『樹木・大地・地震―植物生理学と地球物理学の学際序説』(鳥山英雄、丸善プラネット)
ネムノキの「地震予知」能力を生涯かけて研究された、鳥山英雄博士の遺作となった。
この本を初めて紹介したら古書の価格を釣り上げてしまうかどうかは、微妙なところだ。
なにしろガチガチの学術書なので。
もちろん私は速攻で買った。
同じ鳥山英雄氏の著書『ネムの木は地震を予知する』のように最低価格が1万円を超えるようだと私でも手が出せなくなる。
※週刊現代も12年前にはこのような本を出していたけれど、今の「時流」では、もう出さないだろう。