防災科研(NIED)が公開している『地震10秒診断』というサイトがあって、ここでは自分が住む土地でどれだけの規模の大地震が起きる可能性があるかとか、実際に被災したらどのような被害を被るのかをシミュレーションしてくれる。
■地震10秒診断
『地震10秒診断』は、自分が住む土地などの地震の耐震性などを瞬時に診断してくれるデジタルコンテンツ。
Web上で、誰でも無料で実行できる
これは、一般社団法人 日本損害保険協会と国立研究開発法人 防災科学技術研究所(防災科研、NIED)が、災害関連データを活用したデジタルコンテンツとして2020年8月から公開したもの。
アクセスする利用者の現在位置を自動取得して、30年以内に震度5弱~震度7までの5段階の揺れに見舞われる確率を表示する。
そして、その規模の地震が起きた場合に想定される、下記の5種類のシミュレーション結果を表示する。
(1)停電日数
(2)ガス停止日数
(3)断水日数
(4)家屋の全壊確率(木造及び鉄骨コンクリート造)
(5)出火確率
■やってみた
このサイトにアクセスして、実際に自分が住む土地のシミュレーションを行ってみた。
「地震10秒診断」をWeb上で行う際には、自分が居るところの「位置情報」の提供が必須となる。
下記のように、自分が居る場所の位置情報を使用する許可を求めてくる。
だが、国立法人なので、個人情報を悪用される恐れはないので、「許可」を選択して問題ない。
すると、10秒かそこらで、下記のような診断結果が表示される。
実際は、自分が今いる場所の住所とマップが表示されるが、セキュリティ上の理由でぼかしている。
このように、ここ小平市花小金井○丁目○番では、30年以内に震度6強の地震が起こる確率が10%あることがわかる。
■被害シミュレーション
また、PC版ではその右側に、モバイル版ではスクロールすることによって、その地震が起きた後の「停電日数」が表示される。
あくまでも想定なので、あまり信用しすぎてもいけないが、このような情報を全く持っていないよりは、ある程度の目安となるだろう。
本当に4日間も停電が続くと大打撃だ。
無停電電源装置、ポータブル電源、ソーラーチャージャーなどが欲しくなるだろう。
次に、ガス停止日数。
21日と、これもかなり厳しい生活を強いられることになる。
特に冬季では打撃が大きいだろう。
次に、断水日数が32日。
いくら備蓄の水を蓄えても、一家6人が1ヶ月過ごすには足りないだろう。
もっとも、これはうまくすると給水車から提供されるかもしれないが。
そういう場合を考慮して、少なくとも大量の水を入れる容器があった方が良いだろう。
家族で愛飲している『釈迦の霊泉』は、段ボール箱の内側に丈夫なビニール袋があり、水が無くなると流用でき、畳めば邪魔にならない。
■全壊確率
最後が、いちばんシビアなもの。
ここでは、全壊確率が21.9%、出火確率が0.8%となっている。
想定以上に高い確率だが、これは立川断層帯が動く可能性を想定したものだろうか。
もっとも、住む家の種類によって、被害状況は大きく変わる可能性がある。
ここでは、デフォルトが「木造の場合」で、「鉄筋コンクリート造の場合」をクリックすると、瞬時に表示が変わる。
全壊確率は16.2%、出火確率は0.6%と低くなる。
もっとも、一口に木造家屋といっても、新築の家と、うちのようにかなりの築年数が経った家では、同列には語れない。
借家だが、20年ほど前に住み始めた頃から結構な築年数が経っていた。
それを考えると、やはり首都直下地震が起きる前には引っ越すべきだろう。
■条件の変更
上記の診断で「震度6強」などと出てくるのは、その土地によって想定される大地震の最大震度を設定しているようだ。
一番下に「条件を変えて診断しなおす」とあって、「震度」と「ライフラインの復旧速度」を変更できる。
また、場所・住所・郵便番号などを入力すれば、自分が居る場所以外のところの診断もできる。
試しに、別の場所を設定して実行してみる。
東日本大震災の翌月に、現地調査?聖地巡礼?してきた、千葉県浦安市入船1丁目だ。
震度7 3% 全壊確率:58.1%、出火確率:1.4%
さすがに、だれだけの液状化現象の被害が出たところだけに、全壊確率が高い。
3.11直後の状況は下記YouTube動画で公開している。
みなさんも、下記の『地震10秒診断』のページから試してみてください。
■SNSシェアについて
この「地震10秒診断」サイトでは、TwitterとFacebookでシェアすることができる。
最初は、診断結果をシェアするのはセキュリティ上問題があるのでは?
…と思ったけれど、試しにシェアしてみたら、診断結果がシェアされるわけではなかった。
あくまでも、初期画面のページがシェアされるのだった。
国立の研究開発期間による非常に有用なサイトなので、他の人々にも知らせてあげると良いでしょう。
※ばけたん まもりだま