昨日東京都防災会議地震部会が発表した首都直下地震の被害想定は、首都で起こり得る様々な想定パターンを網羅した説明ではなかったので、今日はどのあたりが大地震の震源となるのかに注目して、解説したい。
■首都直下地震の想定
東京都防災会議地震部会は昨日5月25日、首都直下地震などの被害想定を10年ぶりに見直した。
そして、都心南部を震源とするM7.3の地震が起きると、犠牲者約6100人、負傷者約9万3400人が出るとの報告書を公表した。
以上は昨日の記事で紹介した通りだが、首都直下地震の想定パターンとして、どこの震源域が動く可能性があるのだろうかということが、今回の東京都の想定では全貌がわかりにくい。
そこで、今日は2013年に内閣府の「中央防災会議」が公表した首都直下地震の被害想定を紹介したい。
■揺れやすさマップ
まず、東京周辺の首都圏で、どのあたりが大地震で強く揺れやすいかを視覚的・直観的に把握できるマップを紹介する。
下記の図は、防災科学技術研究所が運営する「地震ハザードステーション(J-SHIS)」が作成したもの。
下部の凡例にある色分けで示すように、暖色のエリアほど強く揺れやすいことを示す。
こうして見ると、やはり東京都23区の東側あたりは一番強い揺れに見舞われやすく、被害が甚大になる可能性がある。
軟弱地盤であり、また0メートル地帯が広がり水害にも脆弱だ。
■ショッキングなマップ
次に、関東地方に住む人々にとってはショッキングだろうが、「中央防災会議」が想定した19の首都直下地震の震源パターンをまとめたのが下記のマップ。
もちろん、これらすべての想定震源域が同時に活動するわけではない。
だが、首都圏ではどこに住んでいても、いつかは自分たちが住む地域が大地震に見舞われることは覚悟しておかなければならない。
もっと言えば、これらは現在わかっている活断層などをもとに想定したもので、昨日書いた都心の地下に眠る「未知の活断層」などは考慮されていない。
実情は、もっと大変だということ。
■「想定」の限界
とはいっても、既に不動産を所有している方々は、そう簡単には安全な土地への移住はできないだろう。
その点では、私のように賃貸住まいの方が腰が軽くなる。
昨日も少し書いたが、識者方が集まってどんなに議論を重ねても、実際に大惨事になるという想定には限界があるだろう。
また、「知っていても言わない」というような要素も、実際はあるということが「風の噂」で伝わってくる。
このあたりは、はっきりとは書けないが、このような仕事をしていると、色々なところから「オフレコ」の情報が入ってくるのだ。
そういうこともあって、犠牲者数が10年前の想定よりも減少したということなども、「ほんトカナ?」と思ってしまうのだ。
日本では、大災害で被災した人々が「こんなことになるとは想像してもいなかった」と口々に言う。
だが、私に言わせると「想像しなければいけなかった」のだ。
■パニックにならないために
たとえば、私はこれまで家族とともに、起震装置の体験を何度もしている。
子どもたちにしても、そういう経験を経ることによって、未経験の子供に比べると、ある程度の「免疫」ができる。
そうして、大人も子供もパニック状態になる可能性が低くなるのではないか。
この災害大国に住む者としては、あらゆる可能性を考慮して、常に防災意識を高めて過ごす必要があるだろう。
上で書いた、起震装置の体験。
「震度7」も含めたシミュレーションの記録を、下記のYouTube動画で公開しています。
■サルちゃんのタイ料理三昧
◎サワディー久米川店のカオソーイ