祈りについて。
■祈り
私は子供の頃から神社仏閣に行っても、誰に言われるでもなく個人の願いなどしたことがなかった。
常に宇宙全体のことを祈っている人間は、個人の願いなどしなくても、自然に高位の神仏に護られる。
そうも思っていなかったが、特に自分の願望とか欲望とか、特に祈って叶えてほしいことはなかった。
10代後半の頃だったか、何のためだったか覚えていないが、初めて「聖地巡礼」的なことをした。
どこだったかも覚えていない。
■世界がぜんたい平和に
そこで、「世界全体が平和になりますように」とだけ祈った。
…と、ここまで書いて思い出してきた。
「世界がぜんたい幸福にならないうちは個人の幸福はあり得ない」
宮澤賢治が『農民芸術概論綱要』に書いたことばだ。
この本を読んだわけではないが、賢治のこのような思想に共感していた。
こういう変わった考えばかりしていたから、周囲から共感を得られることはなく、常に孤独だった。
今はどんなに変わった考えでも、インターネットで書けば世界で誰かしら共感してくれる人は出てくる。
こういう時代がもっと早く訪れていれば、若い頃に孤独を感じることはなかったかもしれない。
いま西の国で起こっている争いのことを考えれば、タイムリーな話題かもしれない。
※写真は2012/07/15に鎌倉大仏で。