青森県と秋田県にまたがる十和田湖で、「噴火警戒レベル」が導入されることに決まったが、過去には大規模な噴火が起きているだけに、規模によっては周辺の原発の事故も懸念される。
■十和田湖で「噴火警戒レベル」導入
2月28日、青森、岩手、秋田県や気象庁などでつくる十和田火山防災協議会は、十和田湖の噴火に備え、必要な避難行動を5段階で示す「噴火警戒レベル」の導入を決めた。
想定される火口内に居住地がある特殊事情を踏まえ、たとえ静穏なレベル1でも、火山活動に変化の兆しが見られれば火口内に住む高齢者らの避難を開始するという。
「なぜ今?」という疑問が生じるが、こういうものが無いよりは、あった方が良いだろう。
■過去の大規模噴火
十和田湖では、約1100年前の915年9月2日に有史以来の大規模噴火が起きた。
VEI(火山爆発指数)5という大規模な噴火だった。
これは、1707年の富士山の宝永大噴火と同規模だ。
十和田火山は数百年~数千年に1度の頻度で噴火していたが、いったん噴火するとVEI(火山爆発指数)が4~5と大規模な噴火となる。
また、過去には「破局噴火」のレベルの噴火も起きていた。
ちなみに、国内でVEI4以上の噴火が最後に起きたのは、1934年の昭和硫黄島のVEI4だった。
今年1/15に噴火したトンガ・フンガトンガ・フンガハアパイの海底火山は、VEI5~7と言われ、まだ定説となっていない。
一般に「破局噴火」は、VEI(火山噴火指数)が7~8の大規模カルデラ噴火に対して用いられる。
■原発は?
十和田カルデラでは、約1.3万年前に破局噴火レベルの大噴火が起きていた。
この時に火砕流が到達した範囲が、下記のマップで示されている。
これを見ると、青森県の六ケ所村再処理工場が現在ある場所も火砕流が到達していたことになる。
他にも、このマップを見てわかるように、「破局噴火」が起きれば大惨事になる可能性がある原発が日本に散在している。
日本政府は「そんなことは絶対起こるわけはない」とでも思っているのだろうか。
7年ほど前に、私がTOCANAで破局噴火について紹介し始めた頃は、この領域はメディアの「タブー」だった。
その後、「破局噴火」という言葉がやっとマスコミで使われるようになった。
それでも、まだ「控えめ」に用いられるようだが。
このあたり、国民が真実を探求することが重要だろう。
※「破局噴火」について書かれた本は、本当に少ない。🙏