今日TOCANAで掲載された私の記事は、紀伊半島の地下にある「熊野プルトン」という海底の山が南海トラフ巨大地震の「磁石」または「羅針盤」として働いて昭和東南海・南海地震が起きたということを解説している。
この現象を調査すれば、今後の南海トラフ巨大地震の発生をある程度予測できる可能性がある。
■熊野プルトン
今日のTOCANAの記事は、『熊野の地底に「南海トラフ巨大地震を引き寄せる」謎の塊が埋まっていた! 政府は早急に調査せよ!』と題したもの。
「熊野プルトン」といっても、殆どの人は知らないだろう。
これでニュースを検索しても、全く見つからない。
英語で「kumano pluton」で検索すると、さすがに出てくる。
過去の最後の南海トラフ巨大地震である「昭和東南海地震」(1944/12/07、M7.9)と「昭和南海地震」(1946/12/21、M8.0)。
この2つは、和歌山県・紀伊半島南端の海底深くに存在する「熊野プルトン」という山が、巨大地震の“磁石”や“避雷針”のように機能することで引き起こされた可能性がある。
そのような衝撃的な研究結果が、2月に米テキサス大学の研究チームによって発表された。
この熊野プルトンという火成岩の巨大な塊が、南海トラフの内部に存在する。
そして、この山の歪みの状態を詳細に調べることにより、今後の巨大地震の発生を予測できる可能性があるという。
詳しくは、下記のTOCANAの記事を読んでみてください。
■画期的な発見
下記の図が、熊野プルトンだ。
この紀伊半島南端の地下約5~20kmの深さに存在する熊野プルトンが、巨大地震を引き寄せたり遠ざけたりする「磁石」や「羅針盤」のように機能するという。
このスーパーコンピューターによる3D映像のYouTube動画を、こちらにも埋め込んでおく。
『Nature Geoscience』で発表された論文の共著者である国立研究開発法人・海洋研究開発機構(JAMSTEC)の小平秀一氏(地球物理学)は、こう語る。
「いつ、どこで、どのくらいの規模の地震が発生するかを正確に予測することはできないが、モデルとモニタリングデータを組み合わせることで、近未来の地震発生プロセスを推定することはできるだろう」
含みを持たせた表現だが、要は今までのように全くの手探りで巨大地震の発生を手をこまねいているのではなく、南海トラフで巨大地震が発生する可能性の有無を詳細に調べることが可能になるだろうということだ。
早々の政府の対応を期待したいところだ。
■巨大地震の発生条件
この新たな発見により、今後の研究が進めば、南海トラフ巨大地震の発生条件として、以下の3つが揃うことになる。
(1)黒潮の非大蛇行期である。
(2)7月~2月の期間である。
(3)熊野プルトンの地下で地殻のひずみがたまっている。
ただし、(1)については残念ながら、まだ地震学の定説にはなっていないが。
また、(2)は過去に知られた南海トラフ巨大地震がすべてこの期間に発生していたことがわかっているものの、次の巨大地震が3月~6月に絶対起きないということではなく、あくまでもそのような「傾向」があるということ。
■黒潮の最新状況
最新の黒潮の海流図は、私の『リアルタイム地震前兆データ』のページで海上保安庁の「海洋速報」の最新版を常に表示している。
この2/24の海洋図を見ると、前回はあった青字の渦の円が消えている。
ちぎれた渦はまだ存在するはずだが、何故だろう?
それだけちぎれた渦の力が弱くなった?
または、遠く離れたから省略した?
下記のearthサイトの2/25の段階の図では、たしかに渦が離れたところにある。
とはいっても、昨日発表されたJAMSTECの黒潮の「長期」予測では、現在の大蛇行の残りは東へ移って消えていくが、その後に四国から九州東にある離岸が東へ進んでまた大蛇行が復活するだろうと予測している。
というわけで、南海トラフ巨大地震は、まだしばらくは大丈夫そうだということになる。
※これで家族が軽症で助かった。
子どもには液状のものを使用。
これも…。