一昨日、4/22までの黒潮の長期予測が発表されたが、これによって黒潮大蛇行の終息の可能性と、それに伴う南海トラフ巨大地震の発生の可能性を検討する。
■4/22までの黒潮「長期」予測
一昨日、JAMSTEC(国立研究開発法人・海洋研究開発機構)のYouTubeで、最新の4/14までの黒潮「長期」予測が公開された。
これによると、大蛇行の渦がちぎれた状態となっているが、それでも大蛇行が続いていることになっている。
というのも、気象庁による黒潮大蛇行の定義は、以下の通りとなっている。
(1) 紀伊半島潮岬で黒潮が離岸している。
(2) 東海沖(東経136~140度)での黒潮流路の最南下点が北緯32度より安定して南に位置している。
現在は、ちぎれて残っている渦の南端が北緯32度よりも南にあり、定義としてはまだ大蛇行が続いていることになる。
■黒潮の最新の状況
下記のearthサイトのマップは、最新の2022/02/15 09:00JSTのもの。
黄緑色の○印は北緯32度、東経138度の地点で、黒潮の渦の南端がこの地点よりも北に来た時には、黒潮大蛇行の終了と判断される。
そういう意味では、大蛇行の終息は「まだまだ」先と言える。
この最新の予測では、千切れた残りの部分が九州東部から次第に東へ移り、新たな大蛇行ができるのではないかという。
■南海トラフ巨大地震
私がこれまで研究してきた結果では、南海トラフ巨大地震の発生時期について、以下のような傾向がある。
(1)過去に日付がわかっている南海トラフ巨大地震は全て7月~2月に起きていた。
(2)過去に黒潮大蛇行の存在がわかった以降は、南海トラフ巨大地震は黒潮の非大蛇行期に起きていた。
つまり、私の研究では、黒潮の状態を考慮しなくても、今年は6月までは発生する可能性が低い。
(2)については、現時点では大蛇行の終息時期が特定できないので、今年中に起きるかどうかもわからない。
最新の「長期」予測の動画を埋め込んでおく。
※オミ株対応。